江川vs掛布「監督版」対決、ついに消滅 2人とも“大きな勘違い”犯したツケ

江尻良文の快説・怪説

 阪神オーナー付シニア・エグゼクティブ・アドバイザー(SEA)の掛布雅之氏(64)が今季限りで退任することになり、熟年猛虎ファンのみならず、熟年G党も落胆しているだろう。かつて阪神VS巨人伝統の一戦を彩った、江川卓氏(64)との対決の“監督版”が、これで幻に終わりそうだからだ。

 「一度でいいから巨人の監督をやりたい」と公言していた江川氏だが、後輩の原監督が編成権まで手にして3度目の巨人監督復帰。ノルマの球団史上ワースト新の5年連続V逸阻止、5年ぶりのV奪回に向かって首位を守っている。

 このままリーグ優勝すれば、3年契約通りにあと2年指揮を執り、自ら指名した後継政権にバトンタッチするだろう。すでに親しい球界関係者に構想を漏らしているという。「自分の後は阿部、松井、高橋の復帰、上原…」と後継者候補の名前を挙げ、「一番現実的なのは阿部だろう」と。

 61歳の原監督が64歳の先輩・江川氏に禅譲するワケがなく、若返り人事を断行するのは当然だろう。

 江川氏にとって念願の巨人監督就任のチャンスは過去に一度だけあったが、自ら潰している。巨人・長嶋終身名誉監督が2004年アテネ五輪日本代表監督に就任した際、江川氏に対し「日本代表ヘッドコーチ」を打診しているのだ。

 「監督をやりたいのなら、一度コーチ経験をしないとダメだ」というのは、自らの体験に基づいた長嶋持論である。「日本代表ヘッドを経験させれば、巨人監督就任へのステップになる」という、巨人・江川監督への布石人事だった。

 が、親の心子知らずで、江川氏は長嶋日本代表監督からのオファーを断った。長嶋人脈の球界関係者は「江川は何を考えているんだ。信じられない」と激怒。この時点で巨人・江川監督は消滅したといえる。

 掛布氏にもコーチ絡みの逸話がある。

 現役引退後、千葉出身のスーパースターの掛布氏にロッテが「将来の監督含みで打撃コーチを」とオファーしたのに対し、「コーチの器ではないので…」と断ったといわれている。

 監督をやる上でコーチ業は貴重な体験になるのに、江川、掛布両氏とも「監督なら引き受けるが、コーチでは…」という、大きな勘違いを犯しているのだ。現役時代の巨人・江川VS阪神・掛布の一騎打ちはG党、猛虎ファンを熱狂させ、監督としての再対決を夢見させていたのに…。(江尻良文)

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