日本武道館バリアフリー化へ来月着工 東京五輪向け、生まれ変わる聖地

 パーク24グループ・プレゼンツ・2019世界柔道選手権東京大会が開催されている東京・日本武道館が来月から、施設のバリアフリー化に向けた改修工事に着手し、休館する。来年の東京五輪・パラリンピックでは柔道、空手の競技会場。1964年東京五輪をきっかけに建設された武道の聖地、音楽の殿堂として、数々の名場面を刻んできた日本武道館が障害者に優しい施設として新たな歴史を歩み始める。

 1964(昭和39)年の東京大会では柔道が初めて正式採用。日本武道館の建設が決定し、昭和38年に着工、急ピッチで工事が進められ、大会前に完成した。

 武道館の特徴はいついかなるときも掲げられる日本国旗と「八角形」だ。富士山の裾野をイメージした大屋根の上にある「擬宝珠(ぎぼし)」は日本武道館のシンボルだ。初種目として注目を浴びた柔道は男子のみ4階級が行われ、日本勢は3階級で金メダルに輝いた。

 ■ビートルズ、猪木VSアリ戦も

 武道の精神を伝える日本武道館に大きな転機が訪れたのは、41年の世界的人気バンド「ビートルズ」の来日公演だった。以降、国内外のアーティストがコンサート会場として使用する「音楽の殿堂」としても有名になった。

 山口百恵さんの引退コンサートや尾崎豊さんの幻の初公演など歴史は数知れず。ロックバンド「爆風スランプ」はヒット曲「大きな玉ねぎの下で」で、擬宝珠をタマネギに例えた。

 伝説の名勝負も武道館で生まれた。昭和51年に行われた、プロレスラー、アントニオ猪木さんとボクシングヘビー級世界チャンピオン、モハメド・アリさんの異種格闘技戦。全日本柔道選手権では、現在、日本オリンピック委員会(JOC)会長を務める山下泰裕さんが前人未到の9連覇を成し遂げた。

 ■パラ柔道競技の会場にも

 一方で、完成から55年たち、施設の老朽化も進んだ。前回東京五輪はそもそもバリアフリーの概念がなかったといい、障害者や高齢者に優しい施設とは言えなかった。東京大会ではパラリンピックの柔道競技の会場となる。

 9月から始まる改修工事では、天井裏の補強に加え、バリアフリー化。女子トイレの増設、照明のLED化などを行い、防災面の強化も図る。日本武道館の永嶋信哉総務部長は「全面立て替えではないが、バリアフリー化などを進め、ユニバーサルデザインのランドマークとして誰にでも優しい施設を目指したい」としている。

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