高岡商が3回戦進出 エース荒井の意地で九回の悪夢振り払う/高校野球

 第101回全国高校野球選手権大会第7日は12日、2回戦第4試合が行われ、高岡商(富山)は神村学園(鹿児島)に4-3で勝利した。エースの荒井大地投手(3年)が3失点完投でリードを守り切った。

 九回2死一塁。高々と上がった白球を見上げ、マウンドの荒井は息をついた。なんとか守り切った-。しかし、ボールは風の影響もあったか、二塁手・鈴木のグラブからこぼれ落ちた。

 「正直、終わったと思いました。びっくりしたけど、ミスを絶対にカバーしてやろうと思った」

 この回に1点を返されていたが、4-2とまだ2点の余裕があった。しかしこの落球で一、三塁とピンチは拡大。続く打者に中前打を許し、1点差とされた。

 荒井の脳裏によぎったのは1回戦の石見智翠館(島根)戦だ。4-2の九回にピンチを招いてマウンドを降りると、代わった投手が同点に追いつかれた。チームは延長十回に勝ち越したが、試合後も荒井は反省しきりだった。「絶対に最後までマウンドを譲らない」。最後のバッターの打球は、落球した二塁手のもとへ。丁寧にゴロをさばき、27個目のアウトを積み上げた。

 荒井の特徴あるサイドハンドは昨冬から着手した新フォームだ。それまではオーバーハンドで投げていたが、招待試合の智弁学園(奈良)戦で「何失点だったかもわからない」ほど打ち込まれ、転向を決断した。

 「変わらないと成長しない。自分がエースにならないと、このチームは勝ち上がれない」

 OBやコーチのアドバイスを聞き、家に帰ると同じサイドハンドの又吉克樹(中日)の映像を参考にフォームを確認する日々。猛練習でプレートの一塁側から投げ込むスタイルを確立し、3年連続の甲子園出場の原動力となった。

 接戦を制して甲子園で2勝目。昨夏、先輩たちが大阪桐蔭に敗戦した3回戦にたどりついた。「去年あそこで負けたからこの1年頑張れた。全員の力を合わせて、もう一度校歌を歌いたい」。チームの勝利のために、荒井がもう一度腕を振る。

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