ダルビッシュ、張本勲氏への“ツイッター剛球”はキレ味鋭いが…シカゴでは非難ゴウゴウまだ3勝

 カブスのダルビッシュ有投手(32)のツイッターでの“連投”が反響を呼んでいる。大船渡高の最速163キロ右腕・佐々木朗希投手(3年)が岩手県大会決勝で登板を回避したことについて、野球評論家の張本勲氏(79)に対する批判ツイートは話題になり、球界のオピニオンリーダーとして支持を集めている。一方、本業のマウンド上ではようやく調子が上がってきたところで、地元シカゴでは依然として厳しい評価を受けている。

 スポーツ選手のSNSでは、サッカーの本田圭佑、プロ野球中日の松坂大輔、ヤンキースの田中将大などのツイッターが人気がある。中でもダルビッシュのツイッターは202万人のフォロワーを誇り、野球からプライベートまで様々なツイートを投稿して、その発言は球界以外にも若い世代を中心に注目を集めている。

 ダルビッシュが特に力説してきたのが投手の健康問題。自身も右肘手術を受けた経験があることから、積極的な論陣を張ってきた。大リーグでは中4日の先発ローテーションが普通だが、負担が大きいので改善するべきだとの意見を発信したこともある。

 それだけに日本記録の通算3085安打を誇る張本氏にも反論した。

 張本氏は、レギュラー出演しているTBS系「サンデーモーニング」(28日)の名物コーナー「週刊・御意見番」で、佐々木が岩手県大会決勝で登板を回避したことについて、「勝負は勝たなきゃダメなんだから」、「ケガをするのはスポーツ選手の宿命だもの。痛くても投げさせるくらいの監督じゃないとダメだよ」などと発言。

 これに対しダルビッシュはツイッターで「シェンロン(ドラゴンボールの龍のキャラクター)が一つ願いこと叶えてあげるって言ってきたら迷いなくこのコーナーを消してくださいと言う」と毒を吐いた。「いいね(共感を示す)」の投稿は14万8000に上った。

 ダルビッシュのツイートは29日に入っても勢いは止まらず、かつて最速158キロを誇ったソフトバンクのクローザーで、2015年限りで現役引退後、柔道整復師、しんきゅう師の国家資格を取得した馬原孝浩氏(37)の見解を紹介した記事をリツイート。馬原氏は、高校野球でも疲労がある場合は専門家の判断で登板をストップさせるべきであることを訴えている。

 さらにダルビッシュは「高須クリニック」院長の高須克弥氏(74)が「関節や靭帯や骨は鍛えられません。消耗品です。一度壊すとアスリートがもとの状態に回復するのは困難です。僕が監督ならためらわずドクターストップをかけます」とつぶやいたのもすかさずリツイート。自身の理論の補強に余念がなかった。

 また、前日にダルビッシュと共同戦線を張る格好でツイッターで張本氏を批判していたサッカー日本代表DF長友佑都(32)は29日、沖縄県で開催中の全国高等学校総合体育大会(インターハイ)の男子サッカー競技が、26日から7日間で最大6試合を戦う日程(1日の休養日を挟み3連戦)で、登録メンバーが17人に限定されていることを問題視し、「地獄日程」と訴えている。選手側の主張がSNSを通じて広がっている。

 一方、“昭和気質”なのが張本氏。連投は当然の時代で育ち、環境が全く違う上、ツイッターには興味があるとも思えない。“手数”で劣るが、週1回のテレビ出演で、ダルビッシュのSNSに対抗することになる。

 張本氏は29日、「サントリー・ドリームマッチ」(東京ドーム)に出場。駆けつけた「サンデーモーニング」のスタッフに「また来週な!」と言い残して帰っただけに、来週の反論にも注目が集まる。

 ただ気になるのは、マウンド上でのダルビッシュだ。今季はツイッターでの発言ほどの切れ味がないからだ。

 今季は21試合に登板して3勝4敗、防御率4・54。シーズン前半は制球がままならず、不本意な投球が相次ぎ、カブスファンを失望させた。「2017年オフにカブスが交わした6年1億2600万ドル(137億円)は明白な間違いだった」などという酷評が地元シカゴのメディアでも伝えられた。

 それでも、オールスター明けは3試合で18イニングを投げ21奪三振、四球2、防御率2・00と、見違えるような内容になっている。

 特に、17日(日本時間18日)、本拠地シカゴでのレッズ戦では6回を2安打無失点。4月27日のダイヤモンドバックス戦以来14試合ぶりの白星で、本来の力を見せつけた。妻聖子さんが第3子を妊娠したことも打ち明け、励みになっていると認めた。

 実力がありながら、大事な試合でファンを失望させてきた。カブス移籍前のドジャースでは、17年のアストロズとのワールドシリーズで悪夢の背信登板。2試合の防御率21・60でドジャース敗北のA級戦犯となった。

 今季のカブスは、カージナルス、ブルワーズと激しい首位争いを繰り広げている。同率首位で並ぶカージナルスとは30日(同31日)から3連戦を控えており、ダルビッシュは初戦に先発する。カブスは投手陣に不安がある。現状はツイッターでの剛速球の方が目立ってしまっているだけに、カブスをワールドシリーズ制覇に導いて本業でも活躍をみせたいところだ。

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