四天王ただ一人残った!星稜・奥川、完投14Kで涙の聖地切符/石川

 第101回全国高校野球選手権大会石川大会(28日、星稜6-2小松大谷、石川県立)第101回全国高校野球選手権大会への出場を懸けた石川大会決勝が28日、石川県立球場で行われ、星稜が小松大谷を6-2で下し、2年連続20度目となる夏の甲子園出場を決めた。今秋のドラフト1位候補、奥川恭伸投手(3年)が6安打2失点の14奪三振で完投勝利を飾った。「高校四天王」と評された注目投手でただ一人、全国への舞台に進出。最速158キロ右腕は、歓喜の涙を流した。

 満員札止め、石川大会史上初で高野連関係者も「異例」という1万4000人が詰めかけた決勝。星稜・奥川が114球を投げ抜いた。優勝候補として注目され続けたプレッシャーから解放され、エースの目から大粒の涙がこぼれた。

 「この大会は苦しい試合ばかりで、負けてもおかしくなかった試合がたくさんあった。みんなで力を合わせて優勝を勝ち取ることができて、本当にうれしいです」

 高校生最速163キロ右腕の大船渡・佐々木が25日の岩手大会決勝で連投での先発を回避し、敗退。ライバルが姿を消す中で、奥川はフル回転した。

 前日27日の準決勝(対鵬学園)は2番手で登板し、4回71球を投げていたが、連投で9回6安打2失点に抑えた。九回にはこの日最速の153キロをマークするなど、14奪三振で完投。2014年の決勝で先輩たちが8点差をひっくり返す大逆転勝利を演じた小松大谷にソロ2発を浴びながらも、リードを許すことはなかった。

 2-2の九回2死満塁では、準決勝まで15打数3安打と苦しんできた1番・東海林(3年)が中堅右への劇的な満塁弾で勝ち星をプレゼントしてくれた。

 「きょうは盛大に星稜打線の花火大会を開催しよう」

 試合前のストレッチ後に、エースはスピーチで仲間にハッパをかけた。その期待どおりに“大花火”で決着。ただ自身の2被弾に「久々にキレイな花火が上がりましたね…」。優勝したからこそ笑顔で反省ができた。

 「高校四天王」の牙城を守った。大船渡・佐々木が岩手大会決勝で敗れ、横浜・及川(およかわ)も25日の神奈川大会準々決勝で、創志学園・西は27日に岡山大会準決勝で負け、甲子園出場を逃した。

 4人は4月に2泊3日のU18高校日本代表候補合宿で対面。奥川は佐々木からストレッチ方法を教えてもらうなど、多くの選手と意見交換した。そして「甲子園で会おう」と再会を約束した。「そういう人たちの分まで頑張りたい」と右腕。夢半ばで敗れたライバルたちの思いを背負って、待ちに待った聖地のマウンドに上がる。

 今春の選抜は2回戦で習志野に敗退。相手のサイン盗みに抗議して約2カ月間の指導禁止処分を受けた林監督は「(監督になって)9年でこれだけプレッシャーがかかったことはない。選手には経験値があるのでそれを生かして、一日でも長い夏にしたい」と感慨深げだ。奥川は「自分たちにとっては最後の大会。そこに向けた思いは今までとは違うものがある」と力を込めた。

 舞台は強敵が待ち受ける令和初の甲子園へ-。春夏通じて星稜初となる、全国の一番星を狙う。

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