視聴率低迷…巨人に「日テレ出身」今村新社長 疎遠一転、球団側の急接近のワケは?

 巨人は11日、前日本テレビ放送網執行役員事業局長の今村司球団顧問(59)が、代表取締役社長兼編成本部長就任を発表。にわかに日テレと急接近を見せる球団は、破格の“就任祝い”を贈っている。

 この日の株主総会と取締役会で承認を受け、今村新社長は都内で就任会見。つかみを重視するテレビマンらしく、“フリップ芸”を披露した。

 選手に求める「SEIKO(成功)」の5カ条は(1)Surprise=驚き(2)Entertainment=ワクワク(3)Intelligence=奥深さ(4)Kindness=ファンを大事に(5)Originality=個性-。座右の銘は「飛んでから考えろ! 潜ってから息を吸え!」とした。番組作りでも常に意識し、スタッフに求めたことだという。

 日テレでは、巨人戦をはじめとするスポーツ局はもとより、編成局プロデューサーで「ザ! 鉄腕! DASH!!」、制作局ドラマセンター長で「家政婦のミタ」を手がけた。実家が神奈川県横須賀市で営むつり宿で幼い頃、巨人・川上哲治元監督に握手してもらって以来の、熱狂的なG党だという。

 ゴールデンタイムに毎晩、巨人戦が地上波で生中継された時代が終わると、日テレと巨人の距離は広がってきた。日テレ社員が球団広報に出向する慣習は10年以上前に途絶え、スポーツ番組での扱いも他局の方がよいこともしばしば。今季は日テレの地上波ナイターが6試合にとどまる一方、インターネット動画配信「DAZN」での巨人戦中継が解禁された。

 近年の球団社長は、親会社・読売新聞グループ本社から天下りが続いていたが、ここにきて日テレから異例の抜擢となった。さらに、この人事を対外的に大きくアピールしたい姿勢も伝わってくる。

 9日のロッテ戦前、育成選手から支配下契約を結んだ加藤脩平外野手(20)が、東京ドーム内で記者会見。同席者は原監督でも当時の石井球団社長でもなく、6月に顧問に就任したばかりの今村氏だった。入団時から加藤を見守ってきた、大塚副代表編成担当も適任者だったが、会見に立ち会うにとどまった。

 読売関係者は「明日は休刊日で新聞の朝刊に載らないのに、こういう発表ごとをやるなんて…」とびっくり。「今日のデーゲームは日テレが地上波で中継するから、新社長をお披露目しようとでもいうのかな」と、球団から新社長への“ご祝儀説”を唱えた。

 こんな憶測を呼ぶほどの、破格の扱いは期待の表れ。巨人を「日本の最高のIP(知的財産)」と表現する新社長のもとで、国民的な娯楽に復権するためにも日テレの力は欠かせない。(笹森倫)

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