朝乃山、トランプ大統領を待った 取組直前の“ご入場”…土俵下で5分も/夏場所

 大相撲夏場所千秋楽(26日、両国国技館、観衆=1万936)トランプ米大統領が安倍首相とともに観戦に訪れ、異例の厳戒態勢が敷かれた中、14日目に初優勝を決めた平幕朝乃山(25)は小結御嶽海(26)に寄り切られ、12勝3敗で終えた。朝乃山は表彰式でトランプ氏から「米国大統領杯」を授与された。一人横綱の鶴竜(33)は大関豪栄道(33)を寄り切り、11勝4敗。名古屋場所は7月7日からドルフィンズアリーナで行われる。

 緊張した面持ちでトランプ米大統領の前に立ち、表彰状と「米国大統領杯」を受け取った。大役を終えた朝乃山は支度部屋に戻ると安堵(あんど)の息をつき、表情を緩めた。

 「言葉に表せないうれしさがあった。大統領から声をかけていただいたが、何と言われたかは覚えていない。僕は『ありがとうございます』と日本語で答えました」

 この日、国技館に入るには入念な手荷物検査、金属探知機の通過が必要で、入館まで1時間半もかかる観客が出た。このため中入りの取組開始時間を10分間以上も遅らせて調整した。

 来場者はペットボトルの持ち込みが禁止され、その場で没収。さらに、「ご注意」と題した紙も配布された。場内で「物を投げる行為」を行った場合の処分が記され「刑法第208条暴行罪」の内容が明記。懲役、罰金、拘留、科料などものものしい文言が並んでいた。

 異様な雰囲気の中、大統領が来場したのは御嶽海との取組直前。朝乃山は土俵下で5分ほど待たされ「遅いな、いつ始まるのかなと思った」。土俵の上では無心で闘ったつもりだが、立ち合いからまわしが引けず、相手の突き、押しに後退し、寄り切られ「大統領杯をもらう立場なのに、大統領の目の前で勝てなかったのは悔しい」と振り返った。

 それでも三役経験のない平幕力士の優勝は、昭和36年夏場所の佐田の山以来、58年ぶりの快挙。令和最初の本場所を制し、初の殊勲賞と3度目の敢闘賞を獲得した。

 来場所の番付は西前頭8枚目から大幅に上がることが予想される。「(令和時代の)看板力士になれるよう頑張ります」。187センチ、177キロの体格にスケールの大きな取り口で期待されてきた大器が、飛躍のときを迎えた。 (月僧正弥)

★北勝富士も5分待ち

 朝乃山-御嶽海戦でトランプ大統領の入場が重なり、朝乃山に水をつける北勝富士は約5分も待たされた。だが「苦ではなかった。生でトランプ大統領を見られてうれしかった」と喜んだ。一人横綱として結びの一番を締めた鶴竜は「あまり気にしなかった」と淡々と話した。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ