朝乃山、唯一1敗で追走 台風の目になれるか

 上位と当たらない前頭8枚目という地位で、平幕・朝乃山が存在感を発揮している。ベテランの嘉風を圧倒し、全勝の鶴竜、栃ノ心に唯一1敗で食らいついた。「前に前に出られたのが良かった」と満足そうにうなずいた。

 作戦が的中した。「(嘉風は)引きや横に動くのがうまい」と考え、狙ったのが右差し。固く締めている相手の脇を強引にこじ開け、かいなを差し入れた。動きを封じると、後は187センチ、177キロの体格を生かして寄っていくだけ。最後はやや体が離れたところを危なげなく押し出した。

 富山県出身の25歳。近大を経て、平成28年春場所で初土俵を踏み、所要9場所で幕内に上がった。三役候補と期待されながら、その後は勝ち負け繰り返し、今ひとつ殻を破りきれていない。

 課題は精神面だろう。5連勝で迎えた6日目の阿武咲戦に完敗。連勝を意識しすぎたのか、「緊張して前に出なかった。(足が)動かなかった」と振り返る。師匠の高砂親方(元大関朝潮)から「5連勝したときみたいに攻めろ」と言われて発奮し、連敗することなく快勝につなげた。

 体調面を考慮して、今場所から禁酒しているといい、相撲に全身全霊傾ける。優勝争いをかき乱す役割を期待したいが、「考えるとがちがちになりますから」。平常心で土俵に上がれるかが後半戦の鍵を握りそうだ。(浜田慎太郎)

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