川崎の若き救世主が躍動 24歳の知念、日本代表も視野

【Jリーグ通信】

 川崎のFW知念慶(24)が大きく飛躍しようとしている。大卒3年目の今季、J1を連覇中の国内最強クラブでレギュラーを奪い、リーグ戦で4試合連続ゴールもマークするなど大ブレーク。「自分でもびっくりしている」と初々しさを残しつつ、結果を積み重ねることで「自信がついていると思う」とたくましさを増している。

 J1で開幕戦から4戦未勝利とスタートダッシュに失敗したチームを立て直す原動力となっている。3月10日の3戦目以降は先発を1試合も譲らず、同月31日の5戦目に今季初ゴールでチームの初勝利に貢献すると、以降は4戦連続ゴールと爆発。低空飛行を続けていたチームもその4試合を3勝1分けとし、上昇気流に乗った。

 故障者が続出しているチームの救世主的な存在でもある。中村や大島、守田、車屋、谷口といった主軸が散発的に戦線を離脱する中で4月28日の9節まで全試合に出場。苦しいやりくりを余儀なくされても「新しく入った選手は楽しみにしている」と前を向く鬼木監督の期待に応えている。

 沖縄県出身で、ボールを追いかけ始めたのは小学生のとき。高校時代は地元では知られた存在だったが、全国的にはほぼ無名だった。卒業後の進路に選んだのも強豪が集結する関東や関西ではなく、東海地方の愛知学院大。地道に続けた努力は実って川崎のスカウトの目にとまり、プロへの道が開けた。

 プレースタイルは万能型だ。177センチ、73キロと際立って大きくなくても、ポストプレーをこなせる強さがある。ディフェンスラインの裏を狙うスピードとしたたかさがあり、ゴールのためなら体を投げ出す泥臭さもある。特筆すべき一芸はないかもしれないが、点取り屋に必要な資質は高いレベルで備わっている。

 日本の万能型FWといって真っ先に思い浮かぶ選手の一人が、日本代表の主軸となっている大迫(ブレーメン)だ。準優勝だった今年のアジア杯で日本代表に突き付けられた課題は、故障を抱えていた大迫不在時の攻撃力だった。知念には自身のスタイルを生かして大迫を脅かす存在となるポテンシャルがある。

 日本代表の森保監督も注目しており、3月31日の松本戦を視察した際は「もちろんチェックしているし、チャンスはある」と期待。4月19日の湘南戦も視察して「背後を狙っているし、前線の起点にもなっている。チームの攻撃に貢献していた」と評価した。

 元ブラジル代表で2012年ロンドン五輪得点王のレアンドロダミアンを差し置いてのレギュラー確保に自信を深め、「結果が出ているので入りたいという気持ちはある」と日本代表入りにも意欲をみせる。4月20日には2月に入籍していたことをクラブを通じて公表し、「サッカーにも責任感を持って取り組んでいきたい」と改めて決意表明。公私に充実した日々を送る。(運動部 奥山次郎)

 

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