矢野阪神、“執粘”7人リレーでドロー!ドリス不在もつないだしのいだ

 (セ・リーグ、ヤクルト2-2阪神=延長十二回規定により引き分け、5回戦、2勝2敗1分、17日、神宮)負けなかった…。阪神は17日、今季初の神宮で首位ヤクルトと延長十二回、2-2でドロー。試合前にラファエル・ドリス投手(31)を体調不良で欠く中、八回に追いつかれながらも矢野燿大監督(50)は今季最多7人の執念継投で、勝ち越しを許さなかった。勝ちたかったけど、この引き分けが浮上のきっかけとなることを信じてるで!

 逃げ切れなかった。逃げ切るための切り札を欠く中、矢野監督はアツく冷静に、手札を次々に切った。危ないなんてものじゃない。ドリス不在の中、サヨナラ負けの危機が何度も襲ったが、執念継投でドローにした。

 「結果的に言うとね、何回もピンチ作りながらも、本当にピッチャーみんなが粘ってくれた。負けなくて助かった、という部分ももちろんある」

 ドリスが体調不良で試合前の練習を早退。指揮官は試合後、曇った表情で「体調不良というか、きょうは投げられなかった。もともと使えない状況」と説明した。

 守護神がいれば八回先頭からジョンソンだが、誰か1人挟まなければならない。そこで左腕・能見を送り出した。ところが四球で走者をため、3番手のジョンソンも死球と適時打で同点。ここから粘った。ジョンソンが九回1死三塁のサヨナラ負けの危機で、カーブで広岡のスクイズを阻止して乗り切る(三振のち三走を挟殺)と桑原、岩崎とつぎこみ、十回無死満塁の危機も乗り越えた。

 一丸でこぎつけた2-2の延長十二回。今季最多6人目の継投となる守屋を送り込み、広岡を遊ゴロで1死。すると将は7番手に島本だ。登板8戦すべてがビハインド時だった左腕を左打者の上田、青木にぶつけた。

 もう勝ちはないが“負けるワケにはいかない”という執念に、島本も奮い立った。「同点だったので、投げっぷりで抑えようと思った。点を取られたらおしまい。みんな頑張ってくれていたので」。最後は145キロ直球で青木を二直。松山から空路移動して、3時間53分の死闘。若手リリーフ陣も含めた青柳-能見-ジョンソン-桑原-岩崎-守屋-島本の7人で、最後までつないだ。

 ファンの前を歩いて帰る、試合後の三塁側ファウルグラウンド。目の前にあるブルペンをずっと見ていた虎党も、もちろん気になっていた。福原コーチが引き揚げる際には「福原さ~ん、ドリスどうした~!?」という声が…。今季は1失点もせずに3セーブを挙げ、つい先日、来日80セーブを挙げたばかりの守護神が不在。負けないために、全員の力を結集した。

 「投手王国」という前評判だったが、開幕してみればチーム防御率はリーグワーストの4・65。直近4試合も9、10、2、9失点と、投壊しかかっていた。踏ん張れた意義は大きい。

 「本当に、ピッチャー陣が作ってくれた引き分け。もちろん(大山)悠輔の2点は入ってるんだけど、まあやっぱり五回から(八回まで)ノーヒットやったっけ? もう打つしかないでしょ」

 四回の2点のみに終わり、並べてしまった「0」が恨めしい。あとは打の奮起で、一気にかみ合う。そう将に確信させる、7人の奮投だった。 (長友孝輔)

 ◆八回から登板も2与四球で降板した阪神・能見 「申し訳ない。青柳がいい投球をしていたのに。後ろの投手にも迷惑をかけた。次、青柳が頑張ったときはしっかり抑えたい」

 ◆八回に2点打を許し、同点とされた阪神・ジョンソン 「自分の仕事ができたとはいえない。能見さんの走者を還してしまって申し訳ない。だけど負けなかったのはよかった」

 ◆ブルペン陣について阪神・福原投手コーチ 「(中継ぎ陣が)頑張ってくれました。次につながる。守屋と島本はいい経験をしている。(ドリスについて)大丈夫じゃないですか?」

■データBOX

 ◎…リリーフ6人投入は昨年9月4日の広島戦(マツダ)以来。先発メッセンジャーの後、藤川-能見-桑原-岩崎-岡本-ドリスとつないだがドリスが打たれ、4-5xで延長十二回サヨナラ負け

 ◎…阪神は昨年8月18日に4-3で勝って以来、神宮でヤクルトに4敗1分けと勝ちがない。昨季は神宮で11戦して4勝7敗で、勝率・364は甲子園(・350)に続きセ・リーグの本拠地球場では悪い数字だった

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