白鵬、年内にも帰化!日本人として東京五輪土俵入り意欲 将来「一代年寄」で「白鵬部屋」開設へ

 大相撲の横綱白鵬(34)が母国モンゴル国籍の離脱を同国政府に申請していることが17日、分かった。春巡業が行われた東京・大田区総合体育館で自身も認めた。日本国籍取得を視野に入れた一連の手続きとみられ、年内にも「帰化」が認められる可能性が浮上。2020年東京五輪・パラリンピックを日本人として迎え、将来的に「一代年寄」で「白鵬部屋」の開設へと野望が広がる。

 現役として過ごす時間は未来永劫(えいごう)ではない。3月に34歳となった白鵬が、モンゴル国籍を離脱して日本国籍を得る決意を固めたことが表面化した。

 かねて日本への愛着を示し、国籍取得の意向をにじませていた白鵬はこの日、春巡業先の会場で「こういうかたちで早々とニュースになったことにちょっとびっくりしている。いまの時点でああだこうだとはいえない。まだ早いと思う」と戸惑いの表情もみせた。

 17日付の複数のモンゴル主要紙が横綱の国籍離脱申請を報じ、オドリーン・ソニン紙によると、白鵬は申請を先週、大統領府へ提出した。1968年メキシコ五輪・レスリングで銀メダルを獲得し、母国初のメダリストとなりモンゴル相撲の横綱で「英雄」とされていた父・ムンフバトさんが昨年4月死去。喪に服す期間が過ぎたことも考慮されたとみられる。

 この時期に帰化申請した背景には、来年の東京五輪もある。2013年9月の五輪開催決定直後から「新しい目標、夢ができた。20年まで現役で頑張る」と、開会式での横綱土俵入りを熱望。実施されるかは未定だが、モンゴル出身の「日本人横綱」が世界へ向けて存在を発信する大舞台へ、思いをはせる。

 また、外国出身力士が親方となり協会に残るには、日本相撲協会の「年寄(親方)名跡及び相撲部屋の新設・継承規程」に「日本国籍を有する者に限る」と定められ、日本国籍取得は必須条件だ。白鵬は「あとは結果を待つだけ。いまわたしの口からこれ以上はいえない」。

 モンゴル出身力士で親方となったのはこれまで4人。最初に日本国籍を取得した元関脇旭天鵬の友綱親方によれば、白鵬から1年以上前に相談を受けていたという。日本で帰化許可申請をした後、国籍離脱の証明が求められ、その申請が認められるまでには「平均6カ月程度かかる。自分もそうだった。年内には(帰化が)認められるんじゃないか」と話した。

 史上最多の優勝42度。途中一人横綱として2年半以上も屋台骨を支えた白鵬には、協会から現役時代に顕著な実績を残した横綱に対する「一代年寄」が与えられる可能性もある。これまで大鵬、北の湖、千代の富士(辞退)、貴乃花に贈られたが、白鵬の功績も評価に値するものだろう。

 そうなれば、師匠として「白鵬部屋」を興す道筋もみえてくる。すでに幕内石浦、5月の夏場所で新入幕が濃厚な十両炎鵬らを「内弟子」として所属する宮城野部屋へ入門させた。大横綱の今後の動向に注目が集まる。 (奥村展也)

★批判の声も

 最近の白鵬は品格面を問われ、厳しい状況に立っている。春場所千秋楽の三本締めの件により、来週の日本相撲協会の臨時理事会で処分される可能性が高い。過去にも審判部批判や平成29年九州場所千秋楽で観客に万歳三唱を促すなど問題行動を起こした。ある協会幹部は「あの姿勢でやっていけるのか。(協会のことを)勉強してもらわないと」と指摘。白鵬は春場所で右上腕を負傷。筋肉の一部が断裂しているといい、この日の春巡業でも相撲は取らなかった。

★1998年長野冬季五輪・曙土俵入りVTR

 2月7日に長野オリンピックスタジアムで開会式が行われ、第64代横綱曙が露払い寺尾、太刀持ち北勝鬨を従えての土俵入りを披露。約5万人の観客が見守る中「よいしょー」と大きな掛け声が飛び交い、204センチ、234キロの巨体で力強くどっしりと四股を踏んだ。同年1月の初場所で途中休場した第65代横綱貴乃花に代わって大役を務めた。

■帰化

 個人の志望で他国の国籍を取得し、その国の国民になること。日本では許可は法相の権限とされており、法務局で申請手続きを行う。一般的な条件は〔1〕引き続き日本に5年以上住んでいる〔2〕20歳以上かつ本国で成人の年齢〔3〕素行善良〔4〕経済的安定-など。小学3年程度の日本語能力が必要といわれており、面接も行われる。申請が認められると日本のパスポート、戸籍、日本の名前を持つことができ、参政権も得られる。

■一代年寄

 現役時に著しい功績を残した横綱が、引退後も現役時のしこ名を名乗ることができる、特別な年寄名跡。日本相撲協会の理事会が、その横綱一代に限って認める。取得後は定年まで協会に在籍することが可能。これまでに大鵬、北の湖、貴乃花の3名跡が使用された。千代の富士は一代年寄を満場一致で認められたが、一代限りの部屋をつくりたくないなどの理由で辞退。九重部屋を継承した。

■白鵬 翔(はくほう・しょう)

 本名ムンフバト・ダバジャルガル。昭和60(1985)年3月11日生まれ、34歳。モンゴル・ウランバートル出身。平成12年に来日し、宮城野部屋に入門。13年春場所初土俵。16年初場所で新十両、同年夏場所で新入幕。18年夏場所で新大関。19年夏場所後に横綱昇進。22年に史上2位の63連勝。幕内通算1026勝184敗125休(89場所)。生涯通算1120勝232敗125休(108場所)の勝利数は史上1位を更新中。幕内優勝は史上最多の42度。得意は右四つ、寄り。192センチ、158キロ。

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