東京五輪、上野の1球で開幕濃厚 超異例!宇津木監督が463日前に“先発予告”

 2020年東京五輪の競技が、ソフトボール女子日本代表の上野由岐子投手(36)の第1球で始まることが16日、濃厚になった。東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は五輪の詳細な競技日程を発表。ソフトボール女子日本代表の宇津木麗華監督(55)は、開会式2日前の7月22日午前9時に全競技の一番手として行われる日本の開幕戦(福島県営あづま球場)に、当日38歳になるエースを先発させる考えを示した。

 463日前の先発予告だ。東京都内で開かれた組織委員会の発表会見に出席した宇津木監督は、五輪初戦の先発に上野を起用するプランを明らかにした。

 「その日(7月22日)は上野の誕生日なんですよ。誕生日とか、何かあったときに、他人のためにやることを楽しくできる選手を出したい」

 開会式2日前の2020年7月22日にはサッカー女子も始まるが、暑さを避けて夕方の試合開始。福島市の県営あづま球場で3試合が行われるソフトボールのうち、午前9時プレーボールの第1試合が全33競技339種目で最初の実施となる。もちろん、組織委では第1試合を日本の試合として調整中だ。「日本選手団の先頭として、東日本大震災の被災地の皆さんに勇気を与えるようなプレーをしたい」と宇津木監督。まだ相手すら決まっていないが、後攻なら先発する上野の第1球から、スポーツの祭典が始まる。

 エースのバースデー登板には実績がある。12年、日本が42年ぶりの優勝を果たした世界選手権(カナダ)も7月22日が決勝だった。「私には何もプレゼントできないけれど、先発に入れるのは監督にしかできない。自分でお祝いしておいで」。宇津木監督はそういって30歳になったばかりの上野を先発のマウンドに送り出した。大黒柱は延長十回を見事に完投し、宿敵米国を下した。その再現で、来年の38歳の誕生日も上野自身に“お祝い”をさせる。

 ソフトボールは追加種目として3大会ぶりに復帰。五輪の開幕試合として全世界の注目が集まるのは確実だ。福島での野球・ソフトボール競技は、東京五輪の中でも東日本大震災からの復興を世界に知らせる中心的存在でもある。昨年、上野は東京五輪の開幕戦が自身の誕生日に行われることについて「正直、ビックリしている。運命的というか、巡り合わせをうれしく思いました」と登板に意欲をみせていた。

 08年北京五輪で準決勝から決勝までの3試合を2日間で413球を投げ抜き、金メダルに貢献。真夏の熱投は日本中を感動させた。38歳で五輪の舞台に戻ってくる上野が、日本選手団に勢いをつける。 (只木信昭)

★鉄腕健在

 上野は13日のトヨタ自動車との日本リーグ今季開幕戦(名古屋市)で、1-1の六回に今季初登板。延長を含む3回を1安打、無失点でチームの勝利に貢献し、健在ぶりをアピールした。4日には東京ドームの巨人-阪神で始球式を行い、ど真ん中に速球を投じて観衆をどよめかせた。

■上野 由岐子(うえの・ゆきこ)

 1982(昭和57)年7月22日生まれ、36歳。福岡県出身。小3でソフトボールを始め、投手として頭角を現す。九州女(現福岡大若葉)高時代に世界ジュニア選手権優勝。2004年アテネ五輪銅メダル、08年北京五輪ではエースとして金メダル獲得に貢献。世界選手権は12年ホワイトホース大会、14年ハーレム大会で金。ビックカメラ女子ソフトボール高崎所属。174センチ。

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