選抜高校野球 東邦の「二刀流」石川が決勝でも活躍

 最後の打者を三ゴロに打ち取ると、東邦の選手たちはマウンドで歓喜の輪を作った。その中心にいたのがエースで主将の石川だった。投げては3安打完封、打っては本塁打2本で4打点。もとは野手だったにもかかわらず、「二刀流」の離れ業で平成最後の大会で大活躍したヒーローは「夢のような時間」と喜びをかみしめた。

 一回、先頭打者に安打を許すも、次を併殺に仕留め「あれが大きかった」と石川。その裏の攻撃で中越えに先制2点本塁打を放ち勢いに乗った。

 五回には右越えの2点本塁打で5-0と突き放した。ダイヤモンドを一周しながら第1打席の本塁打では見せなかった笑みがこぼれた。「投手として楽になる」という思いと同時に優勝を確信したという。

 森田監督からは「今日は一人で投げてくれ」と告げられていたといい、九回まで散発3安打に抑え、二塁を一度も踏ませなかった。

 この冬、森田監督が腎不全で昨年11月末から約40日間入院し、チームは大きく変わった。全体練習後に自主練習に励み、それまで漫然とやっていた球拾いも5分間でやるなど工夫をするようになった。

 副将の熊田はチームの強みを「打者なら配球、守備なら打球方向を予想できること」と胸を張る。「野球は目に見えない部分で勝負が決する」という森田監督の考えが浸透し、コーチの一人は「監督不在がいい方向に転んだ」とチームの成長を実感した。

 平成の選抜大会は東邦の優勝に始まり、東邦の優勝で幕を閉じた。だが、石川は「もう過去のこと。夏も優勝するために一からやり直す」と次を見据える。平成の大会史にその名を刻んだ東邦は、「令和(れいわ)」初の優勝に挑む。(岡野祐己)

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