不在でも大入り満員、高視聴率、新鋭台頭…それでも稀勢の里は必要か? 横審異例の「激励」決議

 いよいよ、正真正銘の土俵際だ。横綱審議委員会が26日に福岡市内で開かれ、九州場所で横綱として87年ぶりに初日から4連敗(不戦敗を除く)を喫し途中休場した稀勢の里(32)に対し「激励」が決議された。複数の委員から「女々しい」という言葉が飛び出すなど、引き際を問われている。九州場所を制した小結貴景勝(22)らの台頭で、相撲人気を支える面でも唯一の日本出身横綱は不要になりつつあり、厳しい立場に追い込まれている。(塚沢健太郎)

 横審の決議事項には厳しい順に「引退勧告」「注意」「激励」がある。稀勢の里への「激励」は最も軽いが、決議されること自体、そうそうあることではない。

 8場所連続休場から復帰した秋場所で10勝を挙げ、引退危機を脱したかに思われたが、続く九州場所で初日から4連敗し途中休場。北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)は「長期に渡って、その地位にふさわしい力量を示せずにいる。九州場所における復活に願いをかけたファンの失望は大きい。稀勢の里自身が決意した来場所での再起に期待する」と厳しい表情で語った。

 かつては3代目若乃花が、横綱で負け越した1999年秋場所に、横審から呼び出され休場勧告されたことがあるが、そのときも「激励」まではされなかった。

 知人男性への暴行が発覚した横綱朝青龍に引退勧告を決めた例(勧告前に引退)があるが、このときは品格が問われたもの。成績不振で決議されたのは史上初だ。

 それでも都倉俊一委員(作曲家)は「横審としてメッセージを送った。われわれから『引退しろ』とか『休んでほしくない』とか、今の段階ではそういう意見はなかった。文字どおり、ひたすら激励です。基本的に横審の方針は、温かく見守ること。ネットニュースに“厳しい声も”と出ていたが、あれは結論としては違う」と擁護。本人でなくとも、師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)ぐらいは呼び出してもよかったが、それすらなかったのは“大甘”といわれてもしかたがない。

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