スポーツ界で続く不祥事 「規律」求める声届かず
日本スポーツ界でまた不祥事が起こった。ジャカルタ・アジア大会に出場するバスケットボール男子代表の4選手が、市内の歓楽街で女性と不適切な性的関係に及んでいた問題は、深刻なモラルの欠如を浮き立たせる。2020年東京五輪に向けてスポンサーも増える中、スポーツ界が自らの価値を下げる行為は支援者への裏切りと言っていい。日の丸を背負う誇りはどこへ行ったのか。
日本選手団の山下泰裕団長は、昨夏に日本オリンピック委員会(JOC)強化本部長に就任以来、事あるごとに「日本代表の誇りと自覚」を訴えてきた。
今月3日の監督会議では4年前の前回仁川大会で競泳選手が起こした窃盗事件に触れ、再発のないよう戒めた。現地入り後の15日にも各競技団体の指導者を集め、規律順守を指示。バスケ男子の監督とコーチも聞いていたという。
4人が「JAPAN」の公式ウエアで女性とホテルに行ったのはその翌日。追放理由について、山下団長は女性と不適切な性的関係を結んだことを挙げ「一番大きな行為」と指弾した。
JOCは今年から選手やコーチの教育プログラムを刷新。東京五輪を前に、最後の国際総合大会となるアジア大会では「チームジャパン」の意識醸成を重視した。それだけに強化担当者は「受け止め方の問題なのか、伝え方の問題なのか」と落胆の色を隠せない。
13年9月に東京五輪の招致が決まった後、国からの強化費も大幅に増えた。不祥事を繰り返すここ数年のスポーツ界は、国民を裏切り続けていることになる。
しかし、選手らの行動にどこまで責任を負うかは線引きが難しい。山下団長は「(選手団長が)直接語り掛ける必要があるとの意見もあるが、それは我々が監督やコーチを信頼していないことになる」と難色を示す。選手の大半は代表の重みを自覚している。「全員を集めて(規律の)話をするのは信頼関係が崩れる恐れがある」と山下団長。
今回追放された4人はプロ選手だ。大学や高校、中学など育成過程を含めた全ての関係者が危機感を共有し、「アスリートのあるべき姿」を考えなければ、不祥事の根は絶てない。
(ジャカルタ 宝田将志)



