逗子3年・常国洸大主将 横浜に敗戦も「悔いはない」 南神奈川大会

 「人としての大きな成長には、目を見張るものがある」。南神奈川大会2回戦の対横浜戦の後、敗れた逗子の杉山監督は、少し遠くを見つめながらこの1年を振り返り、うれしそうに教え子について語った。

 もともとチーム内の推薦で主将に選ばれた人格者。それでもいざやってみると、チームメートと意思の疎通に大苦戦した。自分の意見を発するタイミングをうまくつかめず、練習では監督の指示をただ伝えるだけの日々が続いた。チームはバラバラの状態になっていた。「何も言えなかった」と振り返る。「苦しい。もう辞めてしまおう」。冬には主将を辞めようとした。

 どん底から救ったのは両親だった。「抱え込みすぎるな。もっと周りを頼れ」。自分ができないことは何かを伝えて、チームメートと助け合って野球をしようと決意した。雨雲がさーっ消え、晴れわたったような感覚になり、全てがうまく回るようになった。口下手を克服し、チームメートにもその変化は伝わったという。

 この日は優勝候補の横浜に破れはしたものの、五回まで2点に抑え、大金星を目撃できるのではないかと観客に期待させるような試合展開だった。「王者にここまでかみつくことができた。悔いはない」。そう満足げに話した。

 卒業後は、消防士になりたいという夢を追う。小学生のとき、防災訓練で目にした勇ましい姿に心を奪われた。最後の夏は終わったが、夢の実現に向けて笑顔で前を見据えていた。

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