白鵬が阿炎に完敗で早くも土、「見ての通り」と茫然自失 夏場所

 自身初の2場所連続休場から復帰した白鵬に早くも土がついた。初顔合わせだった24歳の阿炎に一方的に攻め立てられ、支度部屋に戻ると「見ての通り」と茫然自失。うつろな表情のまま帰りの車に乗り込んだことからもショックの大きさがうかがえる。

 立ち合いでいつもの鋭い踏み込みがみられない。ふわっと浮いたように立つと、阿炎のもろ手突きをまともに胸で受ける。苦し紛れに繰り出した引き技も相手を呼び込んだだけで、なすすべもなく土俵を割るしかなかった。

 取り組み前から落ち着きがなかった。土俵下で見守った相撲中に舞って体に付着した土をしきりに気にする。「土が付く」は敗戦を意味して縁起が悪く、異変に気付いた審判長の藤島審判部副部長(元大関武双山)は「リズムが悪くなっていた」と指摘した。

 縁起を気にするのは勝負師だからこそではある。一方、自分自身に抱く不安の表れと取れなくもない。3月に33歳となり年齢的な衰えが忍び寄る。長く本場所の土俵から離れ、鈍った相撲勘を取り戻せないのも事実だろう。

 昨年の九州場所以来3場所ぶりの賜杯奪回を目指す今場所はまだ中盤戦に差し掛かったばかりだ。国技館を去る際に口にした言葉は「一番、一番」。惨敗のショックから気持ちを切り替えて次の土俵に臨めるか。第一人者に試練が訪れた。

 (奥山次郎)

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