第13回 シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティション 応募数は昨年の1.5倍 過去最多の1282作品より、受賞作品10点が決定!

一般社団法人未来ものづくり振興会

 喜多俊之氏、後藤陽次郎氏、中村勇吾氏、原研哉氏、深澤直人氏の豪華審査員を迎えて開催!

 一般社団法人未来ものづくり振興会(所在地:愛知県名古屋市 代表理事:舟橋正剛)は、新しいプロダクトのデザインを募る「13th SHACHIHATA New Product Design Competition (シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティション)」に関して2020年10月16日(金)に表彰式を行い、受賞作品10点を発表しました。

 昨年に続き、第13回目となる今回も喜多俊之氏、後藤陽次郎氏、中村勇吾氏、原研哉氏、深澤直人氏の5名の審査員、および特別審査員2名の計7名で厳正な審査を実施しました。

 今回も、前回に引き続き「これからのしるし」をテーマとし、今年はさらに踏み込むため「暮らしを彩る」「習慣になる」「気持ちを伝える」の3つのサブテーマを設けてアイデアを募集いたしました。今回の応募作品総数は、過去最多の昨年778作品の応募を大きく上回る1282作品の応募があり、そのうちの10点を受賞作品として決定しました。

 今年も多くのご応募をいただき、2021年も「14th SHACHIHATA New Product Design Competition」を行うことが決定しました。多くの関心と、様々な観点からの従来の発想を超える新しいアイデアをお待ちしております。

 グランプリ 1作品(賞金300万円)

 「|x|^5/2 + |y|^5/2 =1」(石川草太、柳沢大地)

 準グランプリ 2作品(賞金50万円)

 「名前柄紋様」(石川和也)

 「シヤチハタの切手」(須田紘平)

 審査員賞 5作品(賞金20万円)

 喜多賞 「emo.pen [えもペン] 」(大越一輝)

 後藤賞 「次の素材」(倉島拓人、池田美祐)

 中村賞 「グリッド 五ミリ」(張庭瑞、邱子堯)

 原賞 「結紐 -ゆいひも-」(岩佐樹、寺嶋啓介)

 深澤賞 「あなたに寄り添うハンコ」(田島和久)

 特別審査員賞 2作品(賞金20万円)

 「mine」(畝見謙人、石川菜々絵)

 「わたしだけの色々 Only my Colors」(秋山健)

 シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティションは、シヤチハタ株式会社が1999年から10回にわたり開催してきたプロダクトデザインのコンペティションです。2008年を最後に一旦休止していましたが、2018年に10年の年月を経て再開しました。

 第13回となる今年も、前回に引き続き「これからのしるし」をテーマとし、今年はさらに踏み込むため「暮らしを彩る」「習慣になる」「気持ちを伝える」の3つのサブテーマを設けてアイデアを募集いたしました。今回の応募作品総数は、昨年の1.5倍となる過去最多の1282作品となり、好評をいただく結果となりました。

喜多俊之 Toshiyuki Kita

 プロダクトデザイナー

 喜多俊之デザイン研究所 代表

 大阪芸術大学教授

 イタリアやドイツ、日本のメーカーから家具、家電、ロボット、家庭日用品に至るまでのデザインで、多くのヒット製品を生む。作品の多くがニューヨーク近代美術館、パリのポンピドーセンターなど世界のミュージアムにコレクションされている。著書に『デザインの力』(日本経済新聞出版社)、『地場産業+デザイン』(学芸出版社)、『デザインの探険』(学芸出版社)など。

~審査コメント~

 ワンテーマでよくこれだけいろいろなアイデアが出てくるものだと毎回感心する。特に今年は力の入った応募作品が多く、時間をかけて取り組んでくれたことがわかる力作がいくつも目を引いた。プレゼンテーションシートのまとめ方やプロトタイプも非常によくできたものが多かった。アナログとデジタルの狭間から生まれるアイデアのなかでも、最近はデジタルの方向に寄りつつあるので、一度、印鑑本来の重要な時に用いる緊張感やシビアな部分に原点回帰してみるのも面白いのではないかと思う。COOL&HOTのように、対極の方向性にある案を見てみたい。

後藤陽次郎 Yohjiro Gotoh

 デザインプロデューサー

 デザインインデックス 代表

 1994年にロンドンの「ザ・コンランショップ」を日本に導入し、商品構成からオリジナル商品の開発、デザインディスプレイの監修などを行う。その他「ペプシマン」、元麻布ヒルズ、六本木ヒルズレジデンスのモデルルームのインテリアコーディネイト、“二期倶楽部 東館”の総合プロデュースなど多方面で活躍。

~審査コメント~

 今年は全体に精度が上がり、非常にレベルアップした印象を受けた。同じ「しるし」というテーマに対し、新しい提案がどれだけくるか若干不安もあったが、人の想像力は尽きないものだとあらためて感じた。最終審査に残った作品はどれも秀作だったが、意外に審査員の意見にばらつきがなく、各賞スムーズに決まったのが印象的だった。日本の文化の根底には、人に対する細やかな気配りや繊細な技術がある。その部分に今一度目を向けてみると、モノに溢れた今の時代に求められている「心を豊かにしてくれるもの」を探るヒントになるのではないだろうか。

中村勇吾 Yugo Nakamura

 インターフェースデザイナー

 tha ltd. 代表

 多摩美術大学教授

 ウェブサイトや映像のアートディレクション、デザイン、プログラミングの分野で横断/縦断的に活動を続けている。主な仕事に、ユニクロの一連のウェブディレクション、KDDIスマートフォン端末「INFOBAR」の UIデザイン、 NHK Eテレ「デザインあ」のディレクションなど。

~審査コメント~

 コンペティションの回を重ねるごとに「しるし」の魅力に引き付けられていくように感じます。空間の中に、一点の鮮やかな「朱」。このパターン、まるで日本人のDNAにあらかじめ埋め込まれているかような、条件反射的な、抗いがたい魅力を感じてしまいます。まさに心の中にしるしが刻まれるような。「しるし」というテーマの射程は、思っていたよりもっと長いのかもしれません。

原研哉 Kenya Hara

 グラフィックデザイナー

 日本デザインセンター 代表

 武蔵野美術大学教授

 デザインを社会に蓄えられた普遍的な知恵ととらえ、コミュニケーションを基軸とした多様なデザイン計画の立案と実践を行っている。無印良品、蔦屋書店、GINZA SIX、JAPAN HOUSE、らくらくスマートフォン、ピエール・エルメのパッケージなど活動の領域は多岐。

 一連の活動によって内外のデザイン賞を多数受賞。著書『デザインのデザイン』(岩波書店刊、サントリー学芸賞)『白』(中央公論新社刊)は多言語に翻訳されている。

~審査コメント~

 今回は審査員の評価が割れることなく各賞、順当だったと思う。「しるし」は掘り下げて行くと、まだまだ可能性がある。デリケートな気持ちをしるしに落とし込んで伝えることは、コミュニケーションとしてはかなり高度だが、応募作品を見ると参加者もアイデアを出すコツを掴み始めたのではないかと思う。デザインは、無風状態からは生まれない。たとえ逆風であれ、世の中のエネルギーが渦巻いているほど面白いアイデアが出てくるものだ。今は世界中が未曾有の荒波に巻き込まれているが、そんな時だからこそ生まれるアイデアがある。次回はそこに期待したい。

深澤直人 Naoto Fukasawa

 プロダクトデザイナー

 NAOTO FUKASAWA DESIGN 代表

 多摩美術大学教授、日本民藝館館長 卓越した造形美とシンプルに徹したデザインで、国内外の大手メーカーのデザインとコンサルティングを多数手がける。電子精密機器から家具、インテリアに至るまで手がけるデザインの領域は幅広く多岐に渡る。デザインのみならず、その思想や表現などには国や領域を超えて高い評価を得ている。受賞歴多数。

 2018年3月作品集「Naoto Fukasawa EMBODIMENT」(Phaidon)発刊。

~審査コメント~

 最終候補に残った作品はクオリティが非常に高く、SNDCをよく理解している人が上位に入ったという印象を持った。このコンペで我々が何を望んでいるのかをわかっている、つまり新しい答えを探そうとしている人の作品は、やはり心に響くし、説得力がある。応募作品全体としては、毎回のことだが、参加者の理解力や力量に大きなばらつきが感じられた。しかし、玉石混交の中から新しい才能を発掘する、あるいは新しい気づき方を発見することがコンペの目的であり、醍醐味でもある。その点においては、目的達成の可能性が上がってきている手ごたえを感じた。

グランプリ

|x|^5/2 + |y|^5/2 =1

(エックス ノ ニブンノゴジョウ タス ワイ ノ ニブンノゴジョウ ワ イチ)

 石川草太 Sota Ishikawa

 柳沢大地 Daichi Yanagisawa

 (チーム名:BAKU DESIGN)

 |x|a +|y|a = 1で表される曲線の中で、a>2のものを「スーパー楕円」と呼び、特にa=2.5の時の曲線が最も美しいとされる。円弧を面取りするより人の目に違和感がなく、持ち心地も優しい。円形、四角、どちらの印欄にも収まりがいい、〇でも□でもない、最も美しいしるしのカタチ。

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 「『スーパー楕円』という判子の世界にありそうでなかった形を、見つけ出した衝撃と、数式で導き出した新鮮さ」(深澤) 「プロトタイプもよくできており、捺す時の感触、捺した後の印形、どちらも気持ちよかった。その気持ちよさが論理的な根拠を持つことに腹落ちした」(後藤) 「丸と四角の線の美しいところだけ取った、人の心に訴える、価値のある形」(喜多) 「円柱に比べ楕円は、持つ位置がしっかり決まり、まっすぐ捺しやすい。機能的で美しく、持ち心地もいい、判子の理想ともいえる形であり、あらゆる意味で大賞にふさわしい要素を持った堂々たる作品」(原)

準グランプリ

名前柄紋様

 石川和也 Kazuya Ishikawa

 日常生活で「わたしの物」であることを証明する機会は多い。そこで「名前」と「書体」の指定で模様化できるシステムをつくり、名前を応用が利く模様に置き換えることで、物への愛着を持たせながら、「わたしの物」を証明するしるしを考案。名前の手軽な紋様化で、しるしの習慣化を図る。

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 「『名前をしるす=ハンコ』の概念に捉われず、システムを使って紙以外の素材にしるすという発想がいい。いろいろな素材でできそうな実用性や可能性を感じる」(喜多)

 「着想もいいが、造形力が卓越している。普通の文字を選択して自動的に模様化する、その落とし込み方のクオリティが大変よい」(原)

準グランプリ

シヤチハタの切手

 須田紘平 Kohei Suda

 シヤチハタのアイデンティティカラーといえる朱色を使った切手。鮮やかな朱を添えた便りは、人から人へ、さまざまな思いを伝え、その簡潔な佇まいは多様なシーンに馴染む。送り手、受け取り手、双方の暮らしを彩る、これからの新しいしるしの習慣。

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 「昨年の『シヤチハタペーパー』を発展させたアイデア。シート状の佇まいや朱色の縁の滲みが美しい。シールとして切手と一緒に貼ったり、封印代わりに使ってみたい」(後藤)

 「日本人らしい美学を感じる作品。それなりの真剣さや緊張感を伴う、大切なやりとりをする手紙に使いたい。プレゼンテーションの仕方も巧みだった」(深澤)

審査員賞

 喜多賞

emo.pen [えもペン]

大越一輝 Kazuki Okoshi

 テストなどにペンで朱書きする「赤入れ」。そのやりとりには、評価する人、受け取った人、双方の感情が常に伴う。「emo.pen」は、自分オリジナルの輪郭スタンプに赤ペンで表情を描き足したしるしで、気持ち「emotion」を絵文字「emoji」のように情味をもって伝える。

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 「ちょっと描き足すだけでいろいろな表情がつくれ、相手を思う描き手の気持ちを伝えられるところが魅力的。コミュニケーションが楽しく豊かになりそう」(喜多)

後藤賞

次の素材

 倉島拓人 Takuto Kurashima

 池田美祐 Miyu Ikeda

 (チーム名:M&T)

 オールプラスチックでありながら、100%リサイクル素材からできた印鑑。レジ袋有料化やプラスチック製ストロー削減などで環境への関心が高まっている今こそ、リサイクル素材を前面に打ち出すことにより、人々のエシカルな消費意識に訴える。

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 「エコでありながらマテリアルとしても美しい、時代にマッチした提案。素材メーカーとのコラボレーションで事業化できれば、面白い展開が期待できると思う」(後藤)

中村賞

グリッド 五ミリ

 張庭瑞 CHANG TING JUI

 邱子堯 CHIU TZU YAO

 (チーム名:desigNerd)

 クリエイションの始まりは常に一本の線であり、ルールやグリッドに従ったり破ったりの往復を続けることで最終の形にたどり着く。「グリッド五ミリ」は、手軽にさまざまなグリッドを引けるローラースタンプ。5ミリ長さの「ドット」「四角」「三角」の3模様展開。

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 まず「描画の下地となるレイヤーを提供する」という新しいスタンプの捉え方がとても面白いと思いました。さらに、紙の上でコロコロとローラーを転がすことでグリッドが生みだされていく行為自体が、不思議な生理的快感を伴っているように感じました。(中村)

原賞

結紐 -ゆいひも-

 岩佐樹 Itsuki Iwasa

 寺嶋啓介 Keisuke Terashima

 (チーム名:てらじまっくす)

 日本には昔から多くの「結び」が存在し、感謝を伝える時、贈り物をする時、自分を奮い立たせる時、さまざまな場面で使われてきた。添えるものに応じて好きな長さ、形で結び、思いをしるして伝える、シヤチハタを象徴する朱い紐の提案。

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 「水引ではなく組紐にしたのがよかった。太さや組み方を変えてバリエーションをつくっても面白い。結い方がわかる冊子をつければ日本土産としての需要も期待できる」(原)

深澤賞

あなたに寄り添うハンコ

田島和久 Kazuhisa Tajima

 磁石を内蔵した、金属面に付着できるハンコ。側面に5度傾斜をつけ、接地面から持ち手の一部を浮かせることにより、手に取りやすいデザインに。玄関のドアや冷蔵庫の扉、手を伸ばした先で、ずっとこちらに傾きながら、丁度いい場所にハンコは居る。

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 「鉛筆を持ちやすく、転がらないようにするために六角形にしたのと同じ着眼点で、円柱というピュアでアイコニックな形に、削ぎ落した面をつくるアイデアが面白い」(深澤)

特別審査員賞

mine

畝見謙人 Kento Unemi

 石川菜々絵 Nanae Ishikawa

 (チーム名:raw)

 UV発色インクとブラックライトが1つになったシヤチハタ印「mine」は、自分の物を証明するしるし。通常時は無色透明で、ブラックライトを当てると印が浮き上がる。「承認」という公的なシーンで使われる印鑑で、「所有」という私的な人と物の関係をつくる、新しい使い方の提案。

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 印はもはや紙に限ったものではなく、時代に合わせて様々なもの、特に今や個人のアイデンティティと切り離せないものとなった、スマートフォンに押せるという感性が鮮やかでした。(岩渕)

特別審査員賞

わたしだけの色々 Only my Colors

 秋山健 Ken Akiyama

 万人に共通する個人認証法を考え、世界共通の「カラー」に着目。氏名や生年月日、血液型などの情報を色で表してデータ登録し、さまざまな自分の持ち物にも表示できる。明るく楽しく美しく、自分を示し、暮らしを彩る、わたしだけのしるし。

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 「いろいろな認証の分野を開く期待感を感じさせる。一見、個人情報とわからないところがいい。アプリケーションで情報内容が確認できれば有用性が高まるだろう」(舟橋)

 ■応募受付期間:2020年 4月1日(水)~ 6月1日(月) 12:00

 ■テーマ:これからのしるし ~暮らしを彩る、習慣になる、気持ちを伝える~

 アイデアの手がかりとなる3つのサブテーマを設けました。これら全てを満たす提案でなくても構いません。

 「しるし」の意味をそれぞれの視点で考えたプロダクトや仕組みなどをご提案ください。

 なお、応募作品は未発表のオリジナル作品に限ります。

 ■参加資格:

 ・個人、グループ及び企業、団体。年齢、性別、職業、国籍不問

 (ただし、日本語でのコミュニケーションが可能であること)。

 ・1次審査を通過した場合、2020年9月4日(金)までに、模型制作が可能であること。

 ・入賞した場合、2020年10月16日(金)に東京都内で行われる表彰式に参加が可能なこと。

 ※1人または、1グループで複数作品の応募が可能です。

 ただし、事前エントリーは1応募につき、1エントリーをお願いします。

 ■賞:グランプリ1作品(賞金300万円)、準グランプリ2 作品(賞金50万円)、審査員賞5作品(賞金20万円)、 特別審査員賞2作品(賞金20万円)

 ※全ての受賞作品が、商品化の対象となります。また、シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティションの公式HPで公開されます。

 ■一次審査提出物:プレゼンシート(サイズ:A3、枚数:1枚、形式:PDF、容量:10MB以内)

 ■審査基準:1.テーマの理解力-2.新規性・革新性-3. 商品化の実現性

 ■応募方法:公式サイト(https://sndc.design)よりご応募ください。

 ■表彰式:2020年10月16日(金)18時15分より

 ■主催:一般社団法人未来ものづくり振興会

 ■共催:株式会社美術出版社

 ■特別協賛:シヤチハタ株式会社

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