夏冬の電力需給逼迫で経産省が対応策 冬は休止LNG再稼働も

 経済産業省は25日、今年度の夏と冬の電力需給が逼迫(ひっぱく)する見通しとなっているとして、発電事業者に燃料の十分な確保を求めることや、利用者に無理のない範囲で省エネの協力を呼びかけることなどを柱とする対応策をまとめ、有識者会議に報告した。特に、この冬は東京電力管内での需給が非常に厳しい見通しにあることから、同管内で予定されている発電所補修の時期を変更したり、休止中の発電所の稼働を促したりといった追加対応を検討する。

 梶山弘志経産相は同日の閣議後記者会見で「電力の安定供給は国民生活や経済活動に不可欠」とし、「対策を速やかに実行していきたい」と述べた。今回の報告案を基に、電気事業者への具体的な指示や、一般家庭への情報発信などを行う。

 電力需給逼迫の背景には、液化天然ガス(LNG)火力を中心とする火力発電所の休廃止が相次いでいることがある。施設の老朽化や、固定価格買い取り制度(FIT)で支援する再生可能エネルギーの発電量拡大に伴い、火力発電の取引価格が低迷し、事業環境が悪化していることが大きい。原発の再稼働が進まないことも影響している。

 電力供給にどれだけ余裕があるかを示す予備率は最低3%は必要とされるが、今年8月の夏のピーク時に、北海道や九州電力管内を除く各地域の予備率は3・8%になると予想されている。新型コロナウイルス禍で引き続き在宅率の高い状況が続けば、家庭での電力需要も増え、予備率がさらに厳しいものになる可能性もある。

 冬はさらに厳しく、来年2月のピーク時には東電管内で予備率がマイナスになるほか、北海道、東北を除き3・0%と切迫する予想だ。経産省は東電管内の冬の需給逼迫への対策として、送配電会社である東京電力パワーグリッドに予備電源の追加公募の実施を呼びかける方針だ。予備電源は迅速に稼働でき発電量が安定する火力発電が適しており、経産省は休止中のLNG火力などの再稼働を念頭に置く。

 電力需給は今年1月、LNGの調達不足や長期の天候悪化による再生エネの供給不足など複数の要因が重なり、全国的に逼迫。電力卸価格の上昇から一部の新電力が事業を停止するなどの影響が出た。

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