茂木外相、G7会合など欧州歴訪へ出発 中国にらみ「インド太平洋」推進

 茂木敏充外相は29日、英国と中東欧3カ国を訪問するため、羽田空港をチャーター機で出発した。英ロンドンで先進7カ国(G7)外相会合に出席するほか、スロベニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ポーランドを訪れ、各国外相と会談する。台頭する中国をにらみ、日本が推進する「自由で開かれたインド太平洋」の重要性を訴える。

 5月3~5日のG7外相会合は、2年ぶりに対面形式で開かれる。新型コロナウイルスへの対応のほか、国際情勢では覇権主義を強める中国もテーマとなる。

 英国やドイツ、フランスなど欧州の主要国は、インド太平洋地域を重視する外交戦略を打ち出している。欧州連合(EU)としても議論が進み、今年9月までに具体案をまとめる方向だ。茂木氏はG7外相会合でインド太平洋に関する議論をリードし、欧州の関与を決定づけたい考え。出発前には「このタイミングで日本のプレゼンス(存在感)を示すことが重要だ」と意欲を示した。

 議長を務める英国は新疆(しんきょう)ウイグル自治区や香港をはじめ中国の人権問題にも高い関心を示す。G7として一致したメッセージを打ち出せるかも注目される。

 G7外相会合にはメンバー外のオーストラリアやインド、韓国などの外相も招かれる。日米韓や日韓をはじめ、各国外相との協議や意見交換が行われる可能性もある。

 茂木氏は英国に前後して、中国が巨大経済圏構想「一帯一路」を通じて影響力を増す中東欧も歴訪する。スロベニアは7月からEU議長国を務める。EUのインド太平洋に関する具体案作成に向け、事前に認識をすり合わせる「貴重な機会」(外務省幹部)とする。EU加盟を目指すボスニア・ヘルツェゴビナでは、支援を通じてEUが重視する西バルカン地域の安定に貢献する姿勢をアピールする。

 ポーランドでは、チェコ、スロバキア、ハンガリーを加えた東欧4カ国(V4)との外相会合を開く。V4は15年間で国内総生産(GDP)が約2倍に伸びるなどEUでの発言力が増している。中国とも密接な関係を築くが、ポーランドやチェコでは中国からの投資が想定と比べて進んでいないことや、安全保障の懸念から関係を見直す動きも出ている。茂木氏はこの機にV4との関係を深めることで、中国との間にくさびを打ち込みたい考えだ。(石鍋圭)

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