「中国軍拡、安保上の強い懸念」 令和3年版外交青書に明記

 茂木敏充外相は27日の閣議で令和3年版「外交青書」を報告した。尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺海域で領海侵入や日本漁船への追尾などを繰り返す中国海警船舶の活動を「国際法違反」と初めて明記。習近平国家主席の国賓来日については「日程調整をする段階にはない」と記述し、2年版の「改めて調整する」から表現を後退させた。

 青書は中国について「最も重要な二国間関係の一つ」とする一方、軍事力拡大や東・南シナ海での活動について「日本を含む地域と国際社会の安全保障上の強い懸念」と非難した。今年2月施行の中国海警法に関しては「国際法との整合性の観点から問題がある規定を含む」と指摘した。

 さらに中国当局による迫害が指摘される新疆(しんきょう)ウイグル自治区の人権状況を「深刻に懸念」と記述し、日本の取り組みを詳述。国家安全維持法が制定され、民主派の逮捕者が相次いだ香港情勢も手厚く記載した。

 台湾は「重要なパートナー」とした上で、中国の反対で途絶えている世界保健機関(WHO)年次総会へのオブザーバー参加について「一貫して支持している」と日本の立場を紹介した。

 韓国については、ソウル中央地裁が日本政府に賠償を命じた今年1月の元慰安婦訴訟判決は「国際法および日韓間の合意に反する」と記し、是正措置を求めていくと説明した。韓国が不法に占拠する竹島(島根県隠岐の島町)は「日本固有の領土」と訴えた。北方領土は「わが国が主権を有する島々」と重ねて主張。その上で「四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結すべくロシアとの交渉に取り組む」と記述した。

 また、米韓など国際社会と連携して朝鮮半島の非核化を目指すとした上で、日本人拉致問題の解決を「最重要課題」と位置付けた。

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