尖閣近海で異例の物資投下訓練 米軍有事想定か 潮匡人氏「日本も堂々と訓練し対中抑止力高めよ」

 沖縄県・尖閣諸島近海で今年2月、米軍が物資を投下する訓練を実施していたことが分かった。尖閣近海での米軍の訓練は極めて異例という。訓練のあった2月は、中国共産党政権が海警局に外国船舶への武器使用を認めた「海警法」を1日施行し、周辺海域での緊張を一段と高めていたタイミングといえる。中国に対する「米国の覚悟」を感じさせるものだ。

 「米軍は日米安保条約の目的達成のため、必要な訓練を適宜実施している。尖閣をめぐる問題で、米国は日本側に立ち、連携する立場にある。日米間で引き続き連携し、日米同盟の抑止力、対処力を高めていきたい」

 加藤勝信官房長官は22日の記者会見で語った。

 日本政府関係者らは、訓練内容の詳細について、「米軍の運用の問題だ」と口をつぐんだが、米軍の輸送機が、上空から武器・弾薬などの物資を補給する単独訓練を行ったようだと認めた。

 米軍が、尖閣の防衛や奪還に出動する有事を想定し、補給能力の強化を図ったものとみられる。

 尖閣周辺では、中国海警局船が連日のように侵入し、航行中の日本の漁船を追い回すなど、威圧的な行動が続いている。

 菅義偉首相と、ジョー・バイデン大統領は16日の日米首脳会談と共同声明などで、米国による対日防衛義務を定めた日米安保条約第5条が、尖閣にも適用されることを繰り返し確認し、中国を強く牽制(けんせい)しているが、中国側は挑発を止めない。

 今回の米軍の訓練をどう見るか。

 評論家で軍事ジャーナリストの潮匡人氏は「訓練で、バイデン政権が本気で尖閣をめぐる問題に関与し、『中国に対峙(たいじ)する意思がある』と見えるかたちで示したことは評価できる。仮に、訓練海域が尖閣にかなり近く、中国当局の船からも見える範囲だったならば、中国側を相当刺激し、威嚇する効果もあっただろう。同時に、尖閣は日本固有の領土である以上、日本こそ尖閣防衛訓練を堂々と行い、対中抑止力を高めるべきだ」と語った。

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