感染拡大止まらぬ大阪「医療崩壊」との指摘も 病床追加確保急ぐ

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない大阪府では、専門家から「医療崩壊」との言葉も出る中、府は重症病床と軽症・中等症病床の追加確保を急ぐ。現場はコロナ対応と一般医療の役割を分担して病床の積み増しを図るが、「限界」が近づいている。

 「医療崩壊といっていい状況になっている。これが続けば、持ちこたえられない」。府の専門家会議の座長を務める朝(ともの)野和典・大阪大大学院教授は20日の対策本部会議で、府内の療養状況を念頭にこう警鐘を鳴らした。

 20日時点で入院中の重症者は最多の317人で、確保済みの重症病床259床を上回る。府によると、最大で5月4日に427人に達する試算とほぼ同じ推移をたどっている。今月20日の軽症・中等症病床の運用率も79・9%と高い。

 府はこれまで病院側に軽症・中等症病床の転用を含め、重症患者を受け入れる病床を約100床上積みするよう要請。19日には改正感染症法に基づき、逼迫度が増す軽症・中等症病床を計約1100床確保するよう緊急要請を出した。

 府によると、重症患者用の病床は20日までに要請数を上回る約150床を確保するめどが立ったという。ただ、それでも約370床にとどまり、試算上の「427人」には足りない。

 現場の医療機関は病床を確実に積み増しするため、府内の8つの医療圏ごとにコロナ患者と一般患者の受け入れを分担している。

 3次救急を担うりんくう総合医療センター(泉佐野市)では今月から、肺炎などの2次救急患者の受け入れを別の病院に依頼。同センターは21日からコロナの重症病床を5床増の15床とするが、府からは軽症・中等症病床も10床増やすよう求められている。

 一方で、同じ医療圏内で3次救急を担うのは、岸和田徳洲会病院(岸和田市)と同センターのみ。倭(やまと)正也感染症センター長は「救急医療の最後のとりでとしてコロナ患者も救急患者も受け入れ続けるが、コロナ患者は年代に関係なく入れ替わりが激しい。マンパワーが足りず、限界が近づいている」と危機感を示した。

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