自民に原発増設論 エネ基本計画改定へ動き活発化

 政府が近くまとめる次期エネルギー基本計画の議論が大詰めを迎える中、自民党内で原子力発電の有効活用の反映を求める声が強まっている。新増設や建て替えを掲げる議員連盟が発足し、原発の維持推進を掲げる別の議連も近く政府への提言をまとめる予定だ。2050年の温室効果ガス排出実質ゼロを目指す政府目標に向けて「脱炭素電源」である原発の有用性を唱えるが、政府は新増設などに慎重姿勢を崩していない。

 「カーボンニュートラル(=排出実質ゼロ)を実現する上で、原発の新増設やリプレース(建て替え)は不可欠だ」。自民党有志でつくる最新型原子力リプレース推進議連が19日に国会内で開いた会合で、会長の稲田朋美元防衛相はこう強調した。

 同議連は次期エネルギー基本計画の骨子が5月の大型連休明けにも策定されると想定し、安倍晋三前首相を最高顧問に迎えて12日に発足した。19日の会合では小型モジュール炉(SMR)など国内外の最新の原子炉について議論した。

 平成25年に発足した自民の「電力安定供給推進議連」もエネルギー基本計画に「原子力発電の有効利用」の反映を目指し、今国会で5回勉強会を重ねた。5月初旬にも政府への提言をまとめる方針だ。

 現在のエネルギー基本計画では令和12年の原発比率を20~22%としているが、平成23年の福島第1原発事故後に再稼働したのは9基。電力供給量に占める原発の割合は約6%(令和元年度速報値)にとどまる。菅義偉首相が表明した脱炭素社会の実現には、太陽光など再生可能エネルギーの大幅増だけでは賄えないという見方が大勢だ。

 しかし、菅政権は新増設について「事故後の信頼回復につながっていない」(梶山弘志経済産業相)として、消極的な姿勢を崩していない。脱炭素社会に向け産業構造の転換が見込まれる中、14日の電力安定供給議連の会合で会長の細田博之元幹事長は「夢ばかり語って現実がついてこないようではどうしようもない」と述べ、地に足のついた政策の必要性を訴えた。(奥原慎平)

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