ワクチン接種、人手足りぬ? コロナ感染急増…医療従事者の確保懸念

 新型コロナウイルスワクチンの高齢者への接種が迫る中、感染者の急増による医療従事者の確保や集団接種のスケジュールへの影響を懸念する声が上がり始めている。大阪市では新型コロナ対応にあたる病院に接種人材の供給を要請をすることを当面、断念。自治体の接種担当者は「スムーズな接種のためにも感染の拡大はなるべく抑えたい」としている。(荒船清太)

 ■大阪、医師らの派遣要請先送り

 蔓延防止等重点措置区域に指定されている大阪市では当初、新型コロナの対応に当たる病院にもワクチン接種のために医師・看護師の派遣を要請することを検討していたが、感染者の急増を受けて先送りする方針を固めた。

 大阪市では集団接種と個別接種を併用する計画。集団接種では病院から医師や看護師が接種会場に派遣されるが、大阪市のワクチン接種担当者は「感染が拡大しており、当面は新型コロナ対応に従事していない病院を中心に医療従事者を確保する」と話す。

 ■「五輪要員」のしかかる東京

 同措置の適用が決まった東京都では、医療従事者の確保に「東京五輪」という別の問題も生じる。

 五輪では1日当たり最大で医師や看護師をそれぞれ数百人単位で確保することが想定されており、五輪期間中は接種用の医療従事者の確保がさらに困難になる見込み。新宿区の接種担当者は「五輪となるべくかぶらないように早めに接種を進めていきたい」と話す。

 ■会場人数に制約…接種遅く?

 集団接種の方法も影響を受けそうだ。市中感染が広がれば、集団接種会場に無症状の感染者がいる可能性を考慮に入れて対策を取る必要性が増す。密集を避けるために一度に会場に入れる人数を絞ったりすることも想定され、この担当者は「接種のペースが遅れる可能性もある」という。

 一方、既に同措置の対象となっている仙台市のワクチン接種担当者は「ワクチン供給が本格化するとされている5月の時点で感染がどこまで抑えられているか。ワクチンはどんなペースで供給されるのか。仮定の話が多すぎる」と先が見通せない状況に焦りを隠さない。

 仙台市でもワクチン接種に従事する医師や看護師は新型コロナ対応にあたる病院からも来る予定だが、感染状況によっては他の病院からの確保も必要になる。

 担当者は「治療に人を取られては接種に人を割けなくなる」と感染拡大に懸念を強めていた。

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