中国軍15機、台湾の防空識別圏に進入 牽制する米ミサイル駆逐艦が海峡通過 「北京五輪の応酬がかかわる可能性も」

 台湾海峡の緊張が続いている。台湾国防部(国防省に相当)は7日、戦闘機12機を含む中国軍機計15機が同日、台湾の防空識別圏(ADIZ)に進入したと発表した。最近、台湾周辺で中国軍の動きが激しい。これを牽制(けんせい)するためか、米海軍第7艦隊(神奈川県横須賀市)所属のミサイル駆逐艦「ジョン・S・マケイン」は同日、台湾海峡を通過した。

 台湾国防部の発表によると、ADIZに進入したのは、「J10戦闘機」8機と、「J16戦闘機」4機、「Y8対潜哨戒機」1機、「KJ500早期警戒管制機」2機の計15機。

 台湾周辺では最近、中国海軍の空母「遼寧」の艦隊が訓練を実施したばかり。中国軍機は先月26日にも計20機、今月5日には計10機が、台湾のADIZに進入している。

 一方、米海軍第7艦隊は7日、ミサイル駆逐艦の台湾海峡通過は定例的なもので国際法を順守して実施されたと発表した。声明では「艦の通過は、米国が『自由で開かれたインド太平洋』の実現に取り組んでいることを示すものだ」「米軍は国際法で許された場所であればどこでも飛行し航行する」と強調した。

 中国をめぐっては、米国務省報道官が6日、ウイグルでの「ジェノサイド(民族大量虐殺)」に言及して、来年の北京冬季五輪のボイコットもあり得るとの立場を示したばかり。中国は猛反発している。

 軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「タイミングとして、北京五輪をめぐる応酬がかかわっている可能性はある。ただ、中国軍機は最近、連日のように台湾のADIZに進入している。台湾国防部も連日の非常事態に疲弊しているかもしれない。こうした物理的、精神的な揺さぶりも目的と1つだとすれば、台湾への軍事侵攻が行われる可能性は相当高いのかもしれない」と見解を示した。

米海軍のミサイル駆逐艦「ジョン・S・マケイン」 (米海軍提供)

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