安保関連法施行5年 公明・北側副代表「グレーゾーンもしっかり対処できる」

 集団的自衛権の限定行使を可能にする安全保障関連法施行から5年。関連法案の与党協議を主導した公明党の北側一雄副代表は、日米同盟を強固にした法整備に大きな成果があったと振り返った。

 今思うと、安保法制は本当に整備しておいてよかった。公明、自民両党と政府を交えて集中的に議論したのは7年前だが、あのときやっていなかったら、今頃大変なことになっていただろうと、つくづく感じる。

 安保法制ができる前は、米側に不満があったように思う。日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増し、わが国の防衛のため日米が共同対処する中で、米軍が攻撃されたのに自衛隊が米軍を守れないなんてことになれば、日米の関係は崩れてしまう。

 安保法制によって日米間の信頼関係は格段に高まった。それは日米共同訓練が頻繁に行われるようになったことや、軍事情報をはじめとする情報共有が進んだことを見れば明らかだ。

 当時の議論で苦労したのは、安保法制と憲法との関係だ。憲法にはどこまで自衛の措置が取れるのか、どこまで武力行使できるのかが明確に書かれていない。

 だから、憲法上許容される自衛の措置がどこまでなのかは、国際情勢が変化する中で国会において議論し、質問と答弁を繰り返す中で政府解釈がつくられてきた。

 過去の政府解釈と、安保法制のもとで行う自衛の措置との整合性をどう取っていくかは苦労したポイントだ。自衛の措置の限界がどこにあるのかを突き詰めて議論した。「武力行使の新3要件」を法文の中で明示した意味は大きい。

 武力攻撃に至らない「グレーゾーン事態」についても議論した。当時、民主党などは「領域警備法案」を国会に提出していたが、尖閣諸島(沖縄県石垣市)に自衛隊を事前展開すれば中国は軍を投入してくる可能性があり、日本側が事態をエスカレートさせたという口実を与えかねない。海上保安庁が対処している限りは、中国も軍を出せないはずだ。

 大切なことは海保と海上自衛隊、警察と陸上自衛隊の連携で、今は非常に緊密になっており情報共有も進んでいる。尖閣諸島周辺では、海保の巡視船の背後に海自が控え、すぐに動ける態勢になっている。

 また、武装漁民が尖閣諸島への上陸を試みた場合や、小型無人航空機(ドローン)を飛ばしてきた場合など、厳密なケーススタディーも行われている。

 中国海警局の船舶への対応が注目されているが、いろいろなケースを想定しながら、国内法、国際法の枠の中で、しっかりとした対処ができると思っている。

(聞き手 大橋拓史)

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