<独自>与那国・対馬に電子戦部隊 「2つの弧」で中露に対抗

 防衛省が電磁波を使う陸上自衛隊の電子戦専門部隊を令和5年度末までに沖縄県の与那国島と長崎県の対馬に配備することが、分かった。18日には電子戦の最新装備を導入した初めての専門部隊を熊本県で発足させる。北海道から九州にかけた「列島の弧」と九州・沖縄の「南西の弧」という2つの弧を描く形で10カ所以上に部隊を配置し、電子戦で先行する中国とロシアに対抗する構えを築く。

 軍事作戦では通信機器やレーダー、ミサイル誘導に電波や赤外線などの電磁波が使われる。電子戦は相手の電磁波利用を妨害し、自国の電磁波利用を防護するものだ。

 平素から相手の通信やレーダーで使用される電磁波の周波数を把握し、有事に同じ周波数の電磁波を発射して混信を起こさせ、複数の部隊が連携するための通信を遮断する。動向を把握するためのレーダーも機能しないようにし、相手部隊の神経と目を不能にする。

 陸自の電子戦部隊は第1電子隊が北海道の東千歳駐屯地にあるだけだったが、18日に熊本県の健軍(けんぐん)駐屯地に80人規模で部隊を新設し、最新装備の車載式のネットワーク電子戦システムを配備する。3年度末には東京都の朝霞駐屯地にも同規模で部隊を発足させる。

 北海道、東京、熊本の3部隊が列島の弧をなし、遠距離の電子戦を担う。電磁波のうち長距離通信用の短波(HF)は中露全域の両国軍の通信状況が日本国内から把握でき、日本周辺に展開してくる艦艇と本国の司令部などとの通信を確認することも可能。有事には通信を妨害し、複数の拠点で収集することで電磁波を発する相手の部隊や装備の位置も詳細に特定できる。

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