ワクチン接種、無難なスタートも課題は山積 河野担当相「柔軟に」

 新型コロナウイルスワクチンの接種が17日、国内でも始まった。河野太郎ワクチン担当相が「(NHK番組の)『プロジェクトX』みたい」と語ったように、短期間で全国民への接種をどう進めるか、難題は山積している。不足が懸念された接種用の特殊な注射器も約4万人の先行接種分は確保したが、手探り状態は当面続きそうだ。

 「やはり信頼だ。信頼感をもってこのプロジェクトを進めていくことができれば、スムーズにいくのではないか」

 河野氏は16日夜のテレビ朝日番組で、接種事業成功の要諦をこう語った。

 先行接種では、副反応の追跡調査に同意する医療従事者を募ったところ、1万~2万人の想定を大きく上回る約4万人が手を挙げた。医療のプロである医師らが接種を望んだことで、今後の接種率向上につながる可能性もある。

 河野氏は16日の記者会見で、1時間以上にわたり、記者の質問に答えた。丁寧に応対したのは、今回の事業を成し遂げるには国民の信頼が不可欠と考えているからだ。今後の道筋には不透明な部分が多く、河野氏も「順調に最初から最後までいくとは思っていない」と語る。

 欧州連合(EU)の輸出統制の影響で、ワクチンの対日輸送の第2便は承認されたが、第3便以降がどうなるかはまだ分からない。先行接種の後には他の医療従事者への接種に移行するが、想定していた370万人から膨れ上がる可能性もある。都道府県に問い合わせたところ、一部の県からは想定より多い人数が報告されているという。

 医療従事者の対象が370万人を大幅に上回れば、4月開始を予定している65歳以上の高齢者への接種スケジュールなどにも影響しかねない。7月の東京五輪開幕に向け、3月25日には聖火リレーも始まるだけに、政府は対策の決め手であるワクチンの接種の遅れは避けたいのが本音だ。

 当面使用する米製薬大手ファイザー製のワクチンをめぐり、1瓶あたり6回分の接種を可能にする特殊な注射器を十分確保していないことが判明するなど、年明けから不測の事態も続出している。

 事業の責任者を務める河野氏は「何か起きたときに柔軟にできる方が最終的には強い」と語る。今後、どうやって未知のトラブルに対応し、困難な壁を乗り越えるか。河野氏は難しいかじ取りが迫られる。(大島悠亮)

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