防衛省、北朝鮮のミサイル発射再開警戒 米政権交代、方針変更で

 防衛省は北朝鮮による弾道ミサイルなどの発射実験再開に警戒を強めている。2日に陸上自衛隊春日井駐屯地(愛知県春日井市)で航空自衛隊が弾道ミサイルを着弾直前の終末段階で迎撃する地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の機動展開訓練を行った。バイデン米政権は対北政策を見直す方針を示しており、米国の出方次第ではミサイル試射に踏み切る可能性もある。

 ブリンケン米国務長官は1日のテレビ番組で北朝鮮の核問題について「政権が代わるごとに悪化していった」との認識を示し、新たな制裁も含め政策を見直す考えを強調した。

 北朝鮮は2018年6月の米朝首脳会談以降、大陸間弾道ミサイル(ICBM)級の発射実験は行っていない。19年5月以降は短距離弾道ミサイルを発射するようになったが、トランプ前大統領は「短距離の制限で合意したことはない」と事実上、容認してきた。

 短距離弾道ミサイルは通常の弾道ミサイルよりも低空を飛ぶ「新型」で、着弾前に再上昇するなど変則的な軌道を描くものも含まれる。現行の弾道ミサイル防衛では迎撃が難しくなっているのが現実だ。

 先月14日の北朝鮮の軍事パレードでは、変則軌道タイプの射程を延伸した可能性がある「変則軌道改良型」とみられるミサイルも登場。新型の発射は20年3月を最後に確認されていないが、防衛省幹部は「これまでパレードで見せた新型は試射してきた」と話す。

 岸信夫防衛相は先月24日のオースティン米国防長官との電話会談で「あらゆる射程」の弾道ミサイルの完全で検証可能かつ不可逆的な廃棄に向け連携することで一致。同省幹部は「北朝鮮への強いメッセージとなったはずだ」と強調する。

 一方で、米国の北朝鮮分析サイト「38ノース」は5日、先月30日撮影の衛星画像を公開し、北西部・東倉里(トンチャンリ)の西海(ソへ)衛星発射場で除雪作業が急ピッチで進んでいると伝えた。発射台周辺の除雪が遅れ「近い将来のミサイル発射を示す明らかな兆候はない」としつつ、施設の稼働に向けた準備が進んでいると分析している。

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