自民党に試練の春…4月の3補選へ強まる逆風

 東京地裁から公職選挙法違反罪で有罪判決を受けた参院議員の河井案里被告=自民党を離党=の議員辞職に伴い、4月25日は衆院北海道2区と参院長野選挙区に加え、参院広島選挙区の補欠選挙が行われることになった。与党は不戦敗を決めた北海道以外で2勝を目指すが、最近は緊急事態宣言下の深夜会合などで辞職や離党する議員が続出し、世論の風当たりは厳しい。菅義偉政権にとっては試練の春となりそうだ。

 自民の二階俊博幹事長は3日、河井被告の議員辞職願提出を受け、「このような事態に至ったことは誠に残念。国民の信頼回復に努めてまいりたい」とのコメントを発表した。

 ただ、4月補選に向け与党には逆風が強まっている。新型コロナウイルス対策への不満などから内閣支持率が低迷する中、今月1日には東京・銀座のクラブを夜遅くに訪れた自民党の3議員が離党、公明党議員が辞職に追い込まれたからだ。

 一方、今回新たに補選となった広島では、自民党本部と地元県連との連携に不安を残す。

 一昨年の参院選広島選挙区(改選数2)では自民現職を推す県連の意に反し、議席独占を目指した党本部が河井被告の擁立を強行した。当時の菅官房長官らが河井被告を集中支援した結果、自民現職が落選。後に党本部から河井陣営に1億5千万円もの選挙資金が渡ったことも判明し、「参院選以降、党本部と県連との溝が解消されていない」(選対関係者)状況だ。

 広島では次期衆院選をめぐり、河井被告の夫で元法相、克行被告=同罪で公判中、自民離党=の選挙区である衆院広島3区に関するしこりも残る。自公は公明の斉藤鉄夫副代表に与党候補を一本化する方針で大筋合意した。ただ自民県連は一連の過程に不信感を募らせたままだ。

 また、参院長野補選は、昨年12月に立憲民主党の羽田雄一郎元国土交通相の急逝に伴うものだ。野党は実弟の次郎氏を後押しし「弔い選挙」と位置づける。

 次郎氏は父の孜元首相が築いた地盤に支えられており、自民は「長野で『羽田』の名前を持つだけで強敵だ」(竹下亘元総務会長)と苦戦を覚悟する。

 もともと、収賄事件で在宅起訴された元農林水産相、吉川貴盛被告=自民離党=の議員辞職に伴う北海道の補選は自民が反省の意を示すために候補擁立を断念した。自民選対幹部は3補選を「1勝1敗1不戦敗で乗り切りたい」と本音を語る。

 一方、野党は河井被告の議員辞職も踏まえ、4日からの衆院予算委員会などで追及を強める構えだ。立民の安住淳国対委員長は3日、「国会での説明責任を一切、自民も本人も果たしていない」と述べ、河井被告の問題を予算委で取り上げる方針を示した。

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