改正コロナ特措法スピード重視 蔓延防止で機動性 罰則導入で実効性 

 改正新型コロナウイルス特別措置法と感染症法が3日の参院本会議で成立したことで、7日に期限を迎える緊急事態宣言の1カ月間延長に合わせる形で対策は強化される。政府は当初、感染収束後の改正を考えていたが、一向に収束に向かわない現実を受け、「突貫工事」で改正を実現させた。

 改正特措法の特徴は、緊急事態宣言の前段階の「蔓延防止等重点措置」の新設と罰則の導入だ。緊急事態宣言が発令される前でも、市区町村などの単位で宣言下に近い対応を取ることができ、対策に機動性が期待できる。蔓延防止等重点措置下でも、営業時間短縮などの要請に従わない場合は罰則を適用することができ、確実に実効性を確保する格好となった。

 緊急事態宣言は、コロナ分科会が示す指標で最も深刻な「ステージ4(爆発的感染拡大)」で発令されるが、蔓延防止等重点措置は「ステージ3(感染急増)」で適用される。

 西村康稔経済再生担当相は3日の参院内閣、厚生労働両委員会の連合審査などで「緊急事態宣言が解除され全体では改善傾向にあっても、その都道府県の中のどこかの地域を抑えなければ、再拡大する恐れがある場合は対象になり得る」と語っており、きめ細かな対応が可能になる。昨年5月25日に宣言を全面解除した後、東京都新宿区から都内全域に感染が拡大したケースを参考に示した。

 一方、改正感染症法では、入院を拒否したり、保健所が行う感染経路をたどる積極的疫学調査を正当な理由なく拒否したりした場合は過料を科すと定めた。

 積極的疫学調査に関しては、行動歴を語らない感染者もおり、保健所は頭を悩ませていた。行動歴が分からなければ、感染源を突き止めるのは困難になる。

 厚生労働省の正林督章健康局長は連合審査で「接触者名を言うのを拒否し、5日以上経過してから濃厚接触者本人から保健所に電話があり、その人はその後症状が悪化し、搬送先で亡くなった」事例を紹介した。人命にも関わるだけに、調査の確実な実施に向けた環境整備は急務だった。

(坂井広志)

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