東京都、税収減で厳しい財政運営 小池知事「持続可能な回復目指す」

 東京都が29日に発表した令和3年度一般会計当初予算案は新型コロナウイルスの感染拡大でダメージを受けた経済の回復や住民の生活支援に加え、出産や子育て、環境対策など次世代を見据えた投資を重視している。これまでの新型コロナ対策費が2兆円を超える中で都税収入が前年度比で約4千億円減となり、厳しい財政運営を余儀なくされているが、小池百合子知事は定例記者会見で「持続可能な回復を目指すべく積極果敢に臨んだ」と説明した。

 ■コロナ禍の子育て応援

 東京は出生率が全国で最も低く、少子化対策が喫緊の課題となっている。予算案では「子供の笑顔や子供を産み育てたい人であふれる社会の実現」として、2929億円を充てた。

 具体的には、新型コロナ禍で「出産控え」が広がるとの懸念もあり、出産応援事業として101億円を計上。出産した家庭に対し、子供1人につき10万円分の育児用品や子育てサービスなどを提供する。

 また、新型コロナ禍で不安を抱える妊産婦へのオンライン相談事業に2千万円、待機児童の解消のための区市町村への支援事業に220億円を盛り込んだ。

 ■テレワーク、デジタル化加速

 テレワークも推進する。女性求職者とテレワークが可能な企業とのマッチングを支援する事業(7千万円)に加え、多摩地域の商店街の空き店舗を活用した小規模サテライトオフィスを運営するモデル事業(3千万円)などに着手する。

 デジタル化促進にも力を入れ、5G(第5世代移動通信システム)アンテナ基地局の設置支援に3千万円、デジタル機器に不慣れな高齢者がスマートフォンを活用できるよう通信事業者らと連携して取り組む普及啓発事業に2億円を組み入れた。

 ■帰宅困難から沖ノ鳥島まで

 首都直下地震に備え、帰宅困難者対策にも取り組む。災害発生後、帰宅を急ぐ人が集中しないようにするため、GPSの位置情報を活用して混雑エリアの情報を発信するシステムの構築事業として2億円を計上した。

 新型コロナ禍を踏まえ、避難所や一時滞在施設にマスクや消毒液など感染対策に必要な物資を区市町村や民間事業者が購入する際の補助として計2億円を盛り込んだ。また、災害時に道路の破損や通行止めの情報をトラックドライバーらと共有するシステムも構築(100万円)する。

 中国の海洋進出などの脅威にさらされる沖ノ鳥島や南鳥島の維持・保全に向けた取り組みの強化にも新たに5千万円を計上した。大学や研究機関、環境省などと連携し、島やその周辺で資源の調査など具体的にどんな研究が可能かを探り、結果をシンポジウムなどで都民向けに啓発するという。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ