茂木外相、EU外務理事会で「インド太平洋」訴え 欧州でも定着する中国の脅威

 茂木敏充外相は25日、欧州連合(EU)加盟国の外相らが参加するEU外務理事会にオンライン形式で出席し、日本が掲げる「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)の重要性を訴えた。日本の外相が同理事会に招かれるのは初めて。欧州では台頭する中国の脅威認識が定着しつつあり、日本としてもEUの議論を後押しする方針だ。

 「インド太平洋地域では東シナ海や南シナ海で見られるような安全保障に対する挑戦、民主主義や人権といった基本原則への挑戦、債務問題による途上国の自立性低下の傾向などが存在している」

 茂木氏はEU外務理事会でこう強調した。各国外相らと今後の協力についても意見交換した。

 日本は米国や豪州、インド、東南アジア諸国連合(ASEAN)などとの間でFOIPを通じた協力関係を強化している。軍事や経済面で拡張する中国を抑制するには、法の支配や人権、自由貿易など基本的価値を共有する国々との連帯が不可欠なためだ。

 欧州でも着実に浸透している。南太平洋などに権益を持つフランスは、2018年に「仏およびインド太平洋地域の安全保障」と題する戦略文書を公表。昨年はドイツとオランダがそれぞれ政策文書「インド太平洋に関するガイドライン(指針)」を採用した。外務省幹部は「明らかに中国を念頭に置いた内容」と歓迎する。

 昨年からはインド太平洋地域に関するEU全体の共通文書の策定に向けた協議も始まっている。EUはFOIPをいち早く掲げた日本の知見と協力を得ると同時に、日本の外相を招待することで「中国へのメッセージ」(外務省幹部)とする狙いも透ける。茂木氏も欧州との連携について「極めて重要なタイミングだ」と指摘している。(石鍋圭)

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