バイデン米政権発足 日本が対北朝鮮で求められる主導的役割

 米国のバイデン新政権は北朝鮮政策を見直す方針を示している。人権問題などでは厳しい態度をとるとみられるが、北が非核化などに取り組む見返りに制裁の緩和などに応じる懸念もぬぐえない。拉致・核・ミサイルの問題解決に向け、日本には米国との連携強化とともに主導的な役割も求められる。

 国務長官に就くブリンケン氏は対北政策の見直しに言及、日本や韓国と協議する考えを示す。日本政府は北の「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」を引き続き訴えていく方針で、外務省幹部は「北が一部の核施設を放棄する代わりに、制裁も一部緩和することにならないよう注視していく必要がある」と話す。

 バイデン氏が副大統領を務めたオバマ政権は「戦略的忍耐」を掲げ、結果として北の核・ミサイル開発を許した。バイデン氏は大統領選で金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記を激しく非難したが、対話を重視し、制裁緩和に傾く懸念はくすぶる。

 日本は拉致・核・ミサイル問題の包括的な解決に向け米国などと協力して制裁を強化し、対北包囲網を構築してきた。安倍晋三前首相の働きかけもあり、トランプ前大統領は金氏との会談で拉致問題も提起した。

 菅義偉(すが・よしひで)首相は21日の衆院本会議で「(金氏と)条件を付けず直接向き合う決意に変わりはなく、拉致・核・ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、国交正常化を目指す」と述べた。

 北は14日に軍事パレードを行い、核・ミサイル開発を続ける姿勢を鮮明にしたが、国内経済は悪化。バイデン政権の出方が見えない中、日本との関係を模索する可能性もあり、日本の役割は一層増している。

 トランプ氏は金氏との会談で事態打開を図ったが、米韓合同軍事演習を延期するなど圧力を弱める部分もあった。春に予定される演習をどのような規模で行うのかもバイデン政権の対北政策を占う試金石となる。

(田村龍彦)

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