黒田総裁、景気「持ち直している」認識維持 成長率予想は下方修正

 日本銀行は21日、金融政策決定会合を開き、3カ月ごとに公表する「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)で、新型コロナウイルスの「第3波」を踏まえ2020年度の実質国内総生産(GDP)成長率の予測について、昨年10月に示した前年度比マイナス5・5%からマイナス5・6%に下方修正した。長短期の金利を低く抑えることで経済を下支えする大規模な金融緩和策については維持したが、コロナ禍で金融緩和がさらに長期化する公算が大きくなっている。

 黒田東彦総裁は同日の会見で景気認識について「基調としては持ち直している」との判断を示した。昨年12月時点の表現から「基調としては」との文言を加えて、やや表現を弱めた。

 緊急事態宣言の再発令を受け、個人消費は「(飲食・宿泊などの)対面型サービス消費に下押し圧力が強まっている」と指摘。一方で、輸出や生産は増加を続けているとし、展望リポートでは21年度の成長率をプラス3・9%と、昨年10月に示したプラス3・6%から上方修正した。

 黒田総裁は、バイデン米大統領の就任に関しては「米国の政策運営は世界経済、国際金融市場に大きな影響を及ぼすので、注視していく」と述べるにとどめた。しかし、バイデン政権は新型コロナ対策として積極的な財政出動と大規模な金融緩和を継続するとみられる。輸出企業に不利になる円高を防ぐ意味でも、日銀は金融緩和を弱めることが困難な状況だ。日銀は長期化する金融緩和策を点検し、次回3月の決定会合で結果を公表する。

 大規模な金融緩和は、短期金利をマイナス0・1%とし、長期金利を0%程度に誘導する金利操作を継続。上限を年間12兆円とする上場投資信託(ETF)の購入枠も維持する。新型コロナ対応の企業の資金繰り支援策では、企業に融資する金融機関に有利な条件で資金を供給するなどの支援策を継続する。

 一方、雨宮正佳副総裁は近親者が新型コロナウイルスに感染しているかを調べるPCR検査を受けたため21日の決定会合を欠席した。雨宮氏は自宅に待機した上で、書面にて会合での意見を提出した。

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