緊急事態宣言 首都圏2週間・関西1週間 大企業中心にテレワーク強化 地域差など課題

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた首都圏1都3県への緊急事態宣言発令が決まり21日に2週間を迎える。大阪府など7府県も20日、1週間となった。大企業の多くは昨年4~5月の緊急事態宣言時よりテレワークを強化し、感染対策に万全を期す。一方、現場に出なければ仕事が回らない中小の製造業などはテレワークが難しく、こうした業種が多い関西は首都圏より実施率が低いといった地域差も課題となっている。

 東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県への発令は今月7日、大阪、京都、兵庫など7府県への発令は13日に決まった。実際の発令はそれぞれ翌日に行われた。

 対象地域を原則在宅勤務としている日立製作所は首都圏に関し、前回の宣言以降、30%前後で推移していた出社率を今回15%以下まで下げることを目指す。帝人も出社率2割以下を目標に在宅勤務を指示し、前回設けた「出社率5割以下」の目標を厳しくした。

 JR西日本は対象地域の拠点で出社率3割を目指す。前回はテレワークとして、自宅のほか社内や系列ホテルの会議室でも勤務させたが、今回は通信環境に配慮しつつ在宅勤務を徹底させる。

 地方銀行2行を傘下に置く関西みらいフィナンシャルグループも本部人員に極力テレワークを推奨。傘下の関西みらい銀行(本店大阪市)は店舗空きスペースを活用したサテライトオフィスを1月20日に3カ所増やし計7カ所設置。みなと銀行(本店神戸市)はサテライトオフィスを近く3カ所から7カ所に増やし、タブレット端末を200台配布した。

 社員の意識も変わり、ITツールなどを使い在宅勤務を進めてきたパナソニックは「前回に比べ積極的に在宅勤務を実施するようになった」としている。

 出社率目標を緩和する企業も。ダイキン工業は今回、対象地域の生産拠点を除く従業員の出社率目標を前回の2割から3割とした。「どのような場面で従業員に感染のリスクがあるのかといった知識が蓄積され、職場での感染対策が進んでいるため」という。

 一方、在宅勤務やテレワークは企業の規模や業種によっては導入が難しい。中小の看板制作会社の男性経営者は「現場で作業をする従業員が多いため在宅勤務は難しく、直行直帰や時差出勤などで職場の3密を避けるしかない」と話す。

 地域差もある。シンクタンクのパーソル研究所が昨年11月、約2万人の会社員などを対象に行った調査によると、テレワーク実施率は首都圏1都3県が38・5%、大阪、兵庫、京都の3府県は22・1%だった。

 小林祐児上席主任研究員は「大企業や情報通信産業などの割合が高い首都圏より、製造業などが多い近畿はテレワークがしづらい」と指摘。だが、感染防止には「経営方針としてテレワークを実施させるよう尽力すべきだ」と訴えている。

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