高齢化や共益費未払い…公営住宅 自治に限界、制度改正の動きも

【住宅クライシス】

 経済的な理由などで住まいに困る人のための公営住宅について、全国20の政令市と東京都を合わせた計21都市のうち、約2割が「共益費」の管理方法を自治体や代行業者が管理する制度に改めていたことが20日、産経新聞の取材で分かった。背景には入居者の高齢化や共益費の未払いをめぐるトラブルなどがあり、入居者のみで共益費を運用することが困難な状況となっている。(杉侑里香)

 市住や県住などと呼ばれる公営住宅は所得が一定基準よりも低い人などを対象にした施設で、国内に約210万戸ある。周辺相場よりも安い賃料で自治体が貸し出し、「住宅のセーフティーネット(安全網)」と称されることもある。

 公営住宅法では施設の「保管義務」を入居者に課しており、基本的に入居者の自治組織でエントランスや廊下などの共用部を管理している。清掃や電灯の交換費用などのため、自治組織が入居者から月数百~数千円程度の共益費を直接集めていくという方法が以前からとられており、産経新聞の取材に応じた東京都と全国20の政令市のうち、大阪や堺、岡山など16市では共益費の徴収や運用を、「自治組織に任せている」と回答した。

 一方で、5都市が自治体やそれに代わる業者が徴収、運用する制度を取り入れていると答えるなど、変化も見られる。東京都は平成29年度、京都市は今年度からこの制度を導入。神戸市では約20年前から、各住宅の自治組織側の求めに応じて市や業者が共益費を管理しており、担当者は「近年希望が増えてきたという印象がある」(担当者)とする。

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