吉川元農水相在宅起訴 自民に相次ぐ不祥事 4月補選・衆院選に危機感

 東京地検特捜部が15日、自民党を離党した吉川貴盛元農林水産相を収賄罪で在宅起訴したことに政府・与党が危機感を強めている。吉川被告の衆院議員辞職に伴う北海道2区補選への候補者擁立を断念した背景には、反省の意を示すことで年内に行われる衆院選への悪影響を最小限に抑えたいとの思惑が透ける。ただ、自民に絡む政治とカネの問題が相次ぎ、有権者の不信感を緩和できるかは見通せない。

 「極めて遺憾で国民におわび申し上げる。公党としての責任を強く痛感している」。自民の山口泰明選対委員長は15日に記者会見し、吉川被告が在宅起訴されたことを謝罪した。公明党の石井啓一幹事長も「与党として重く受け止め、襟を正さないといけない」と反省の言葉を口にした。

 吉川被告は菅義偉首相と初当選同期で、昨年9月の総裁選では菅陣営の選対本部事務局長を担った。疑惑が浮上するまでは党選対委員長代行を務めており、今回の在宅起訴は政府・自民にとって衝撃が大きい。

 最近は自民に所属していた議員が絡む不祥事が後を絶たない。一昨年12月にはカジノを含む統合型リゾート施設(IR)に絡む収賄容疑で衆院議員の秋元司被告が、昨年6月には公選法違反の疑いで元法相で衆院議員の河井克行被告、妻で参院議員の案里被告がそれぞれ逮捕された。

 こうした一連の不祥事は、立憲民主党参院幹事長だった羽田雄一郎氏の死去に伴う4月の参院長野選挙区補選や次期衆院選で強い逆風を引き起こしかねない。自民幹部は「国民の関心は新型コロナウイルスに集まっているとはいえ、プラスの要素にはならない」と肩を落とした。

 一方の野党は勢いづいている。共産党の田村智子政策委員長は記者会見で「(吉川被告の)証人喚問をやらなければいけない。大臣の立場で政治をカネでゆがめるという問題は徹底的な究明を行うべきだ」と厳しく批判。立民の安住淳国対委員長も通常国会で実態解明を進める考えを記者団に示し、北海道2区補選に関しては「野党統一候補を立てて勝利を目指したい」と強調した。(今仲信博)

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