林芳正元文科相 首相の座「いずれかの日に目指す気持ちは変わらない」

呑牛之気 年男年女

 昨年は新型コロナウイルスとの戦いの1年でした。私も自民党経済成長戦略本部の座長として陣頭指揮をとりましたが、感染症対策で人の流れを抑制すれば経済への影響が出るため、ダブルトラックでの議論が必要です。手探りの対応でしたが、欧米などと異なり、完全失業率も踏みとどまっている状況だと思います。

 経済を車で例えれば、動かすための部品はそろってきました。ただ、経済と感染症対策はブレーキとアクセルをうまく使い分けることが何よりも大切です。そしてこれからも、足らざるものがあれば補っていかなくてはなりません。新型コロナとの戦いは今後も続き、大勢の国民が大変な時期を迎えていますが、朝が来ない日は絶対にない。「一緒に頑張りましょう」と申し上げたいです。

 私が所属する岸田派(宏池会)も岸田文雄会長が昨年9月の総裁選に出馬し、大きな戦いに臨みました。若手にとっては、自分たちの派閥から総裁候補を擁立し、戦うことができたことは非常にいい経験だったと思います。岸田さんの戦いぶりを見ていても「毎日のように化けている」という印象を受けました。今までは外相や政調会長という役割の中での発信が多かったと思いますが、総裁選では「政治家・岸田文雄」が何を語るのかが問われる。だからこそ、もともと「言うべきだ」と思っていたことがせきを切ったようにあふれ出たのでしょう。

 ただ、サッカーもそうですが、チーム全員がボールに集中すれば試合運びはうまくいきません。次の総裁選に向けてそれぞれの担当を決め、まとめていくことが大切です。今のうちから準備をしていかなければ間に合いません。私も岸田さんが出馬する場合は全力で支える覚悟です。

 私自身の首相への思いですか? 地元・山口でも期待の声があることは政治家冥利に尽きると感じています。野党だった平成24年には総裁選に挑戦もいたしました。閣僚は努力し、それなりの時期が訪れれば機会がめぐってくるものだと思いますが、首相には「天の時」「地の利」「人の和」が、惑星直列のように並ぶタイミングがなければ難しい。ただ、いずれかの日に首相を目指すという気持ちは変わらずに持ち続けています。

 衆院山口3区へのくら替え出馬への意欲もよく尋ねられます。24年に山口県連として私を3区に擁立する動きがありましたが、そのとき以来、地元の皆さんが期待してくれていることは私自身よく聞いています。そんな声に耳を傾け、一歩でも近づけるよう精進を重ねることに尽きると思っています。

 わが派閥の大先輩、大平正芳元首相は「讃岐の鈍牛」などと言われましたが、こうもおっしゃったそうです。「牛は歩みはのろいが、前に進んだときは下がらない」と。私も歩みが速い方ではありません。ですが、踏み出した一歩は決して下がらない。そんな1年にしたいですね。(永原慎吾)

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