頑張る自衛隊に噴出する「矛盾」ぜひ改善を 防衛問題研究家・桜林美佐氏

 菅義偉政権では、スピード感ある改革が多方面で進むものと期待している。自衛隊においてもさまざまな改善が待たれるが、一方でいつも繰り返しているように、「自衛隊の我慢強さ」は誇れる点でもあり、困った特徴でもある。何に苦労しているか、外から分からないからだ。マイナス面は出さず、実績面しか表面に出ないとも言える。

 例えば今、自衛官募集に大きな力を注いでおり、予備自衛官も拡大させようとし、女性自衛官の比率を増やして活躍の場を広げている。自衛隊医療は新型コロナウイルスの感染拡大で期待値が高まり、いよいよ自衛隊にもサイバー防衛専門部隊が発足など、動きが進んでいるが、実際は多くの矛盾も噴出している。

 予備自衛官の訓練は、コロナの影響で中止が相次いでいる。招集訓練のために残業を続けるなど相当な努力をしてきた人たちが、所属企業への手当てがなくなれば予備自衛官を続けられないケースも増えるだろう。女性隊員は急速な増加にインフラが追いつかず、苦労も多い居住空間を余儀なくされている。

 自衛隊医療は自衛隊員の健康維持が本来任務だが、看護官の災害派遣に見られるように過大な期待を寄せられている。その傍らで、任務増大もあり自衛隊病院の統廃合も進められている。

 サイバー防衛強化で優れた人材を求めているが、給与は事務次官より高額な金額は出せない。実質的に強化されるのかどうか不透明だ。

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