「これは歴史戦」慰安婦像設置防止求める ベルリン撤去困難で自民、外務省批判

 自民党は16日、ドイツの首都ベルリン市ミッテ区の公有地に設置された慰安婦像の撤去が困難になった状況をめぐり、外交部会などの合同会合を党本部で開き、出席議員からは設置を防げなかった外務省への批判の声などが相次いだ。一方、韓国側では「韓国とドイツの市民社会の連帯の力」(ハンギョレ紙)と勝利が喧伝(けんでん)されている。

 「いつもモグラたたきのように設置されては撤去を要求している…」

 同党の「日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会」委員長を務める中曽根弘文元外相は会合冒頭でこう述べ、設置を未然に防ぐ対策が重要だと指摘した。ほかの出席議員からも「これは『歴史戦』だ。きれいな戦いだけしていてはダメだ」「言い訳よりも、どう撤去するかを考えるべきだ」など外務省に厳しい意見が上がった。

 韓国政府が次期駐日大使として公表した韓日議員連盟の姜昌一(カン・チャンイル)名誉会長にも矛先が向かった。ある議員は「慰安婦や歴史認識で問題発言を繰り返す人物に日本政府のアグレマン(大使として認める同意)を出していいのか」と主張した。30分間の予定だった会合は約1時間に及んだ。

 ミッテ区の像はドイツの韓国系団体、コリア協議会により設置された。日本側の働きかけで一度はミッテ区の撤去命令が出たが、ベルリン市民や現地の世論を巧妙に取り込んだ韓国側に巻き返され、命令は撤回。像の設置が当面維持されることが事実上決まった。

 外務省幹部は会合で、像の設置期間が来秋までの1年間であることを踏まえ、「1年後の撤去を目指しあらゆる手段で努力する」と繰り返した。ただ、ミッテ区議会では像の「永続設置」を求める動議が可決するなど状況は厳しい。佐藤正久外交部会長は「議員外交などを含め、早期撤去に向け政府を後押ししていく」と語った。(石鍋圭、ソウル 名村隆寛)

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