自衛隊は困った時の「便利屋」か 医療体制逼迫で災害派遣も… 「自衛隊病院」近く廃止の大矛盾 国防ジャーナリスト・小笠原理恵氏が緊急寄稿

 新型コロナウイルス感染拡大で医療体制が逼迫(ひっぱく)する北海道旭川市で9日、災害派遣された陸上自衛隊の看護官らが、病院と障害者施設で本格的支援を始めた。今年2~3月、集団感染が発生した英国船籍の大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に派遣された医官や看護官の活動が評価されたといえるが、全国各地にある自衛隊病院は近く、廃止・縮小されるという。困ったときの「自衛隊頼み」でいいのか。事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務める自衛隊には、憲法への明記を含め、安全保障環境に合致した処遇が必要ではないか。国防ジャーナリストの小笠原理恵氏による緊急リポート。

 「自治体からの要請があれば、自衛隊を直ちに派遣できる態勢を整えている。最大限の支援を行っていく」

 菅義偉首相は7日、こう表明していた。今回、旭川市に派遣されたのは、同市の陸上自衛隊第2師団の隊員を中心とした医療支援チームだ。

 自衛隊には、防衛医科大学校病院(埼玉県所沢市)と16の自衛隊病院があり、医官、看護官、薬剤官などの医療スタッフが存在する。だが、その本来の目的は、あくまでも有事の戦傷者と、「CBERN(シーバーン=化学・生物・放射性物質・核・爆発物の英語の頭字語)」と言われるテロ攻撃に対処するためだ。

 「ダイヤモンド・プリンセス」という大型クルーズ船内で起こった、世界初の新型コロナ集団感染に対応した自衛隊は、生物・化学兵器への対処を準用した防護体制で、一人の感染者も出さずに「新型コロナ災害派遣」を終えた。

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