政府への要求強める公明も、高齢者医療問題では苦境 首相強硬に戸惑い

 公明党は9月の菅義偉政権発足以降、「前例踏襲打破」などの改革を前面に押し出す首相の政治姿勢に乗じ、政府への要求を強めてきた。首相と関係が近いこともあり、衆院広島3区には与党内の調整を待たずに公明候補の擁立を決めるなど連立を組む自民党に強気で臨む場面も目立つ。ただ、75歳以上の後期高齢者の医療費窓口負担をめぐる問題では首相に要望をはねつけられ、厳しい状況が続いている。

 「政府、与党での最終的な合意形成が重要だ」

 公明の山口那津男代表は7日の政府与党連絡会議後、記者団に対し、後期高齢者の医療費窓口負担を1割から2割に引き上げる問題をめぐり、政府と自民党だけで議論をまとめないよう牽制した。

 公明は当初、対象者の年内決定先送りを求め、「首相も年内に決めるつもりはない」(公明幹部)とみていた。首相が掲げる携帯電話料金の引き下げや不妊治療の助成制度拡充などが公明の長年の主張と重なり、「首相とは考え方が近い」(別の幹部)と高をくくっていた面もある。

 ところが、首相は対象者の所得基準を単身世帯で「年収170万円以上」とする考えを変えず、公明は3日、山口氏と竹内譲政調会長らが断続的に協議し、対象者を絞った「年収240万円以上」で交渉する方針を決めた。「ぎりぎりのライン」(幹部)まで折れる大きな譲歩だった。

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