菅首相の初外交に合わせて日米豪印が連携 アジア太平洋の将来左右する「4カ国の戦略的対話」を注視せよ

 その意図について、岸氏は翌20日の記者会見で、「オーストラリアは特別な戦略的パートナーであり相互運用性の向上が不可欠だ。連携する基礎となる『武器等防護』は、わが国の平和と安全や防衛協力にとって重要な意義のある活動だ」と説明している。日米同盟を、日米豪同盟へと拡大していく方向を打ち出したのだ。

 以上、3つの動きを受けて、第4に、スティーブン・ビーガン米国務副長官が20日の記者会見で、「クアッド」について「会合がより定例化され、ある時点で公式化されるべきだ」と述べたのだ。「クアッド」の会合を定例化することで4カ国および他のインド太平洋諸国との協力関係を強化し、自然災害や経済・安全保障分野での危機に適切に対応できるようにする意向を強調した。

 このように今回、菅首相のベトナム訪問に合わせて、日米豪印4カ国が一斉に動いたのは、もちろん偶然であるはずがない。ある意味、安倍晋三前首相の地球儀外交の成果でもあるが、世界第3位の経済大国である日本が主体的に動けば、呼応する仲間が現れるのだ。

 アジア太平洋の将来を左右する「日米豪印4カ国の戦略対話」にもっと注目しようではないか。

 ■江崎道朗(えざき・みちお) 評論家。1962年、東京都生まれ。九州大学卒業後、月刊誌編集や団体職員、国会議員政策スタッフを務め、現職。安全保障やインテリジェンス、近現代史研究などに幅広い知見を有する。著書『日本は誰と戦ったのか』(KKベストセラーズ)で2018年、アパ日本再興大賞を受賞、19年はフジサンケイグループの正論新風賞を受賞した。著書・共著に『危うい国・日本』(ワック)、『インテリジェンスと保守自由主義-新型コロナに見る日本の動向』(青林堂)など多数。

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