首相、試練の多国間外交デビュー オンライン開催相次ぎ人脈築けず

 日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)との首脳会議が12日、テレビ会議方式で開かれ、菅義偉首相は多国間外交の本格デビューを果たした。各国首脳に安倍晋三前政権が掲げた「自由で開かれたインド太平洋」を訴えたが、直接会って話せない制約もあり、多国間外交が持つ妙味を味わえない船出となった。

 「ASEAN各国を訪問し、首脳の皆さまと直接お会いをし、胸襟を開いてお話しする機会を楽しみにしてます」

 首相は日ASEAN首脳会議でこう述べ、テレビ会議方式での実施に残念さをにじませた。首相が9月末の国連総会で行った演説はビデオ録画方式だった。10月にベトナムとインドネシアを歴訪して個別に首脳会談に臨んだが、他国の首脳の発言を受けて自身の発言を変えられるライブの国際会議は今回が初めてだ。

 各国首脳が一堂に会する国際会議は、個人的な信頼関係を築くきっかけになり得る。会議の合間の「コーヒー・ブレーク」は、打ち解けた本音も交えたやり取りをするチャンスだが、オンライン方式の今回は合間に2国間会談を行う予定もなく、人脈を築く機会がない。

 収束しない新型コロナウイルスへの対応や米国の政権交代により、国際情勢が流動的になっていることも対応を難しくしている。

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