日米欠かせぬ連携 米大統領選 どちらが勝利でも

 米大統領選で共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン前副大統領のいずれが勝利しても、日本政府としては、対中国、北朝鮮外交などで同盟国である米国との連携・協力は欠かせない。米軍駐留経費負担をめぐる協議など日米間の懸案もあり、厳しい局面も想定される。

■対中戦略

 日本に大きく関わるのが対中戦略だ。政府は経済面のつながりなどから“全面対決”には消極的だが、中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺などで挑発的行動を繰り返す中、緊迫化する事態も想定される。

 トランプ政権は経済や軍事で覇権主義的行動を強める中国に対し、強硬路線を取ってきた。中国への警戒感は米議会でも超党派で共有されており、バイデン政権に代わっても厳しい立場で臨むとの見方は根強い。外務省には「民主党の方が香港など人権問題に厳しい」との声もある。

 日本としては、中国に自制を促すため、米国と協力し、「自由で開かれたインド太平洋」の推進や、インドと豪州を加えた4カ国連携の強化が必要となる。

■思いやり予算

 日米両政府は在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)を定める特別協定が今年度末で期限を迎えるため、10月から実務者による準備会合を開始した。トランプ氏が続投すれば日本側負担の大幅増を迫ることは必至だが、対するバイデン氏は同盟諸国との連携重視を訴える。

 日本政府関係者は「大統領がどちらになるかで日米双方の交渉ポーズが変わる」と語る。バイデン氏が当選すれば米側の交渉態度が軟化し、日本側も強気の交渉に臨むことができるとみているためだ。もっとも米国が同盟国に負担を求めるという潮流は変わらず、一定の増額は避けられそうにない。

■拉致問題

 北朝鮮をめぐっては、トランプ氏は金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と直接会談。安倍晋三前首相の要請に応じ、核・ミサイル問題に加え、拉致問題も提起してきた。外務省幹部は「バイデン氏が当選しても北への制裁を緩和しろとはならない」と述べ、米国が北に経済、軍事で圧力をかける方針に変わりないと強調する。

 「わが国自身、自主的な取り組みも進めてきており、北朝鮮にさまざまな働きかけも行ってきた」。菅義偉首相は4日の衆院予算委員会でこう強調した。拉致問題解決には米国との連携が欠かせない。日本の主体的な行動が次の大統領を動かす場面も出てくるだろう。

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