岸防衛相に難題山積 普天間移設・地上イージス代替・駐留費交渉

 安倍氏が9月の首相談話で言及したミサイル阻止のための「あるべき方策」を示す期限も年末だ。ただ、敵基地攻撃能力の保有と不可分のテーマなだけに、連立を組む公明党の抵抗は強い。自民党関係者は「公明党の議論が全く進んでいない。与党協議ができるような状況ではない」と先行きを不安視する。

 さらに、在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)を定める特別協定が今年度末で期限を迎えるため、年内に改定交渉を妥結させる必要もある。

 11月に米大統領選を控えて本格交渉が始まるのは選挙後となるが、結果にかかわらずトランプ政権は来年1月まで続く。同盟国の駐留経費負担の増額を繰り返し主張してきたトランプ政権との交渉は難航が予想され、協定の1年間暫定延長案が早くも浮上している。

 難題を引き継いだ岸氏には、軍事面で脅威が増す中国への対応でも期待は大きい。岸氏は自民党きっての親台派として知られ、台湾の蔡英文総統が1月に再選した際には即座に駆けつけ祝意を伝えた。党内には台湾との安全保障分野の関係強化を期待する声もあり、ある国防族議員は「インテリジェンス分野での協力が必要だ」と強調する。

 そんな岸氏には、将来の首相への期待も膨らむ。所属する自民党細田派(清和政策研究会)では、下村博文政調会長や稲田朋美元防衛相らが党総裁選への意欲を示すが、求心力に欠け、派内をまとめきれるかは不透明だ。前首相の弟である岸氏が難局を乗り切れば、待望論が高まる可能性もある。(大橋拓史)

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