岐路に立つ政令市 自民「大阪市は必要」 維新「府と役割分担を」

 大阪市を廃止し4特別区に再編する大阪都構想の住民投票(11月1日投開票)で、都道府県に近い事務権限を持つ政令市が岐路に立っている。都構想反対派の自民党大阪府連は18日、応援に駆け付けた横浜や京都などの市議と街頭演説し、大阪の発展を見据えた政令市の存在意義を強調。ただ大阪府と大阪市による「二重行政」にはほぼ時間を割かず、政令市を存続させることへの疑問も残る。

 18日午後、大阪・梅田のJR大阪駅前。自民党大阪市議団の北野妙子幹事長は「無くすな! 政令指定都市」の幟(のぼり)を立てた街宣車に上がり、こう訴えた。

 「大阪府と大阪市は両方必要。本当に大事なのは政策だ。なぜ大阪市をつぶしてしまって、大阪の発展があるのか」

 北野氏に先立ち、横浜▽浜松▽名古屋▽京都▽神戸-の5政令市から集まった市議らがマイクを握り「大阪市内の24行政区を4つの特別区に分けて、どうやって目が届くのか」などと都構想を批判。政令市の優位性を主張した。

 昭和31年創設の政令市は「政治的妥協の産物」ともいわれる。22年施行の地方自治法で、都道府県から独立した自治体として規定された「特別市」が府県側の反発を受けて実現せず、政令市は都道府県内で一般市より幅広い権限を持たせる形でスタートした。

 具体的には都道府県事務のうち、児童相談所の設置や精神障害者の入院措置、都市計画の決定などが政令市の権限にあたる。

 一般市と異なり、市内を複数の「行政区」に分けてそれぞれ区役所を設置。市民に身近なサービスと広域行政の双方を担うため、都道府県との「二重行政」が指摘されてきた。

 大阪維新の会が掲げる都構想は、人口約270万人の大阪市を約60万~75万人の4特別区に再編。二重行政解消のため広域行政を府に一元化し、住民に身近なサービスは特別区が担う制度設計だ。

 しかし反対派は大阪市廃止により「権限も財源もない特別区に格下げされ、住民サービスが低下する」と主張。特別区の事務に、一般市町村が担う水道や消防などが含まれないことを取り上げ「村以下の自治体になる」と批判している。

 制度設計で、大阪市の事務は財源とセットで振り分けており、水道や消防は府が担う。一方、特別区は東京23区より権限が広く、都道府県や政令市が所管する認定こども園の認定や私立幼稚園の認可、児童相談所の設置も行い、推進派は、よりきめ細かいサービスが実現できるとしている。

 維新代表の松井一郎市長は、大阪市の権限の一部が府に移ることへの警戒感を払拭するため「大阪府知事は大阪市民の敵ではない」と説明。同代表代行の吉村洋文知事は「(都構想は)役所の適正再編だ。東京消防庁は村以下の体制かというと、東京23区民はそう思っていない。反対派による『反対のための反対』でしかなく、住民目線が根本的に欠けている」と反論している。

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