コロナ禍、「売れなかった」自販機に転機 新しい生活様式で見直される強み

【経済インサイド】

 世界でも知られる「自動販売機大国」日本の自販機が転機を迎えている。省スペースを活用できる利便性などで設置台数が広がったものの、コンビニエンスストアの普及などで売り上げが減少。今年上半期は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛のあおりも受けた。その一方で、非接触型の販売が可能などコロナ禍での強みも見直されており、飲料各社や自販機メーカーは新機軸を模索する。

 東京都内にあるオフィスビル。入居するクレジット大手JCBの社員らが頻繁に足を運ぶのは、ビル内に設置された大型自販機だ。ファミリーマートが手がけるコンビニ商品の自販機「ASD」で、おにぎりや冷やし中華といったおなじみの商品が並ぶ。

 JCBは新型コロナの感染拡大防止で、同ビルで働く社員数を以前より大幅に抑えているが、7月の自販機の売り上げは前年を超えた。毎日のように自販機を利用している男性社員は、「ビル1階のコンビニよりも近い。新型コロナの影響で同僚とランチを一緒にしなくなり、結果的にここで買うことが増えた」と話す。

 ファミマによると、これまでASDへの問い合わせは、既存の自販機の入れ替えや事務所移転などに伴う導入などが主だったが、新型コロナの感染拡大が顕在化して以降、「営業時間を短縮した売店や食堂の代わりなど、コロナ禍でも社員の福利厚生を確保したいという内容が増えた」(担当者)という。

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